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無職の悪魔  作者: 陽無陰
第一章 少女の箱庭
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1-2 五界


 透達はこれまで一般家庭のそれよりは多少豪奢なリビングにいたのだが、ルキが合図を鳴らしたと同時に景色が歪み、先程まで見ていた光景とは異なる光景が透達の眼前に出現したのである。

 透の眼に映る光景は何処かの応接間のようであり、一際大きい円形のテーブルを黒革らしきソファが五つ囲んでいた。この光景が夢でない事を証明するかのように、透が今まで座りこんでいたソファの座り心地よりも、断然素晴らしい座り心地を提供してくれるソファにリビングにいた時と同じようにフィンを膝に抱えたまま座っていた。

 応接間はソファと円形のテーブル以外には、執務用の机であろうか、人一人が寝転ぶ事が可能な程大きい軽金属製の机が部屋の主であるかのように設置されている。カーペットやカーテンなどの実用的な調度品はあるものの、部屋を華やかにする絵画や花を活ける壺などはなく、何処か殺風景な景色が部屋の中に広がっている。

 そして、部屋の中には透が見覚えのない人物と馴染みのある人物達が、透達を待っていたかのように寛いでいる。

 部屋にある五つのソファは、現存している世界ごとに振り分けられている。



 現在、確認されている世界は五つである。

 一つは透達の出身世界であるアースフィア。透達の世界では地球と呼ばれているのではあるが、他の四世界はアースフィアと呼称していたので、公の場ではアースフィアと呼ぶことが通例となっている。

 二つ目がヴェルディン。彼の国の住民は実力合理主義者達であり、その思想を信条とする者達が集っている。

 三つ目がガイアノーグ。彼の国には現獣と呼ばれるモンスターが生息しており、住民達も彼らに考慮してか、または自分達もその現獣の因子が流れているせいか自然と共存する思想を信条としている。また、住人達は現獣の因子によりその現獣の一部を受け継いでいる。例を挙げるのであれば、獣耳や尻尾である。

 四つ目がアヴェルタ。彼の国は日常生活から政策まで、果ては人体の機能まで機械に頼っており、人と機械の融合を体現している人物達である。

 五つ目がカノンフィール。ヴェルディンもガイアノーグも、そしてアヴェルタに至るまで元はカノンフィールの住民である。別たれた理由は政争であり、敗北した者はカノンフィールより去るのが習わしとなっている。カノンフィールの信条は彼の三つに比べれば多種多様に分かれてはいるが、概ねのところ加工性や芸術性を好む気質である。

 この四つの世界が透達の世界に接触したのは十年にも満たないが、四世界はその年月の前よりアースフィアの存在を認識していた。

 では、何故接触を至る事になったのか。

 その一因となったのが、四世界が共通して持っている技術――正式名称は別にあるが、認識しやすい名称で魔法と呼ばれている、特殊な技術である。

 その技術は四世界においては既に確立され、特別でもない誰にでも普及されている技術ではあるが、アースフィアではこの技術は一世紀も満たない未成熟な技術である。

 四世界が接触を持つ事になった理由は、アースフィアの魔法の技術が、他の四世界とほぼ同系統であること。そして一つだけ異なる体系を取っているのが理由の一つとして挙げられるが、決定的となったのは別の要因である。

その要因が決定打となったおかげで、他の世界の技術の提供および発展、交流の場として学園都市が建設される運びとなったのだ。



「さて、これで全員揃ったことだし、話しを始めようか?」


 透達の正面にいる人物は透達にお茶が供されるのを確認すると、司会を務めるかのように動作を交えながら話を始める。


「まずは、軽く自己紹介といこうか? 私はラグナ=ヴァーラス。ヴェルディンの出身の者であり、僭越ながら宰相を務めさせて貰っている。そして、学園都市アカディアにおいては理事の一人でもある」


 やや癖毛混じりの金の長髪を一つに束ね、前に垂らしている青年。彼のハシバミ色の瞳は、歓迎する色を漂わせており、表情もそれに則したものであった。臙脂のスーツに身を包んだ彼は、宰相を務めるだけあって堂に入っていた。


「私の隣にいるのが、妻であるフィレスだ」


 フィレスはフィンの母親であることを透は知っている。フィレスは自身がフィンの母親であることを証明するかのように、フィンを成熟させた姿であり、違いがあるとすれば、フィンとは異なる瞳である深緑であることと、フィンが凛々しいと冠するならば、柔和と冠した方が適切であろうということだけだ。


「そして、われがフィン=F=ヴェルディン、いやフィン=ヴェルディン=鳴神だ。よいか、ここが重要だぞ。われは透の妻なのだ」


 フィンは透の膝の上で、透に抱えられたまま、それを誇るかのように胸を張る。透の隣で少しムッとした雰囲気がしたのだが、今はそれを無視した。

 フィンには一際視線が強まったが、ラグナはそれを無視して次の者へと目線を向ける。

 その目線を受けて応諾したのが、如何にも紳士然とした若い男性である。整えられた青髪は整髪料を使用しているのだろうが、その痕跡はないかのように自然である。また、髪と同じ色の顎下の髭は、髪と同じように綺麗に揃えられている。紫紺の紐ネクタイスーツに包んだ彼は、礼儀正しい様を崩さずに自己が何者なのかを語る。


「私はスルド=ベルウルドと申します。カノンフィールでは副議長を務めており、彼と同じように学園都市における、カノンフィール代表の理事です。以降、お見知りおきを。そして――」


 スルドは傍らにいる、神秘性さえ漂わせる蒼穹の長髪を軽く結い上げ垂らしている、パーティードレスにも似たワンピースを着飾っている、顔前面全てを覆い尽くしている仮面を着けた人物を、シアンの瞳に微かに寂しさを乗せ、何者なのかを紹介する。


「彼女は私の娘で、ノルン=ベルウルド。事情があって仮面を着けているが、それは了承してほしい」


 ノルンは女性の理想像を突き詰めたかのような、黄金律の肢体を優美すぎる動作で礼をする。ただそれだけの動作で、人々を魅了するであろう所作がそこにはあった。声は仮面を着けているせいか、機械的な音声で紡がれたが、それを差し引いても余るほど彼女の動作は美しかった。

 ラグナは次の人物に視線を向けると、その人物は心得たとばかりに立ち上がった。


「儂の名を聞きたいとな。いいだろう、いいだろう。しかと刻め。忘れるでないぞ、二度は繰り返さぬぞ。この偉大なる……」


 人が想像しうる、大男というイメージを凝縮させたかのような筋骨隆々たる白銀髪の巨漢は、その厳つい顔にある顎鬚をさすり、煌びやかな刺繍が龍の姿をとっているローブに収まりきれていない巨躯を演説するかのように広げながら、勿体ぶった口調で宣う。


「あなた、簡潔に言いなさい」


「はい」


 大男を諌めたのは、彼とは正反対の幼女といっても差支えはなさそうな矮躯の女性であった。彼女も大男と同じく銀髪だったが、色は紫銀に近く、瞳は彼が紫苑、彼女か竜胆である。彼女は大男と同じく、龍の刺繍のローブを纏っていたが、男とは正反対にローブには起伏が見られなかった。

 しかし、雰囲気は逆であり、彼が童心の大人であるならば、彼女が淑女の心の子供であった。


「儂の名前はソルガ=ドラニコル。ガイアノーグの一民族、龍皇族の族長であり、学園都市におけるガイアノーグ代表の理事である。妻であるプリティもな」


 ソルガは余程芝居がかった名乗りを上げたかったのか、拗ね気味に自己紹介をしたのだが、妻のプリティを紹介する段になると途端に機嫌が良くなった。


「そして……そ・し・て!」


 ソルガは精一杯に溜めると、くわっと口を開く。


「我が至宝である双子の娘のルーナ、ステラだ。どうじゃ、愛らしかろう? 羨ましかろう? 欲しくともやらんぞ。パパとずっと一緒じゃい」


「あなた、黙りなさい」


「はい」


 ソルガが自慢するように指差した人物、ルーナとステラは共に両親と同じ服装をしていたが、両親と同じく二人の姿は異なっていた。

 ソルガが指差した人物、ルーナとステラは、ルーナが父親と同じ、ステラが母親と同じ髪と目の色ではあるが、容姿については正反対だった。

 同じ年齢である筈の双子は、ステラは透達と同じような年齢ではあるものの、ルーナはそれよりも数歳は幼く見える。容姿について似ている点は、母親と同じようにセミロング程度の長さであるだけで、性格に関しては、ルーナが恥ずかしそうに縮こまっており、ステラは呆れた目で見ていることから、父親に対する反応から見ると、性格は異なっているようにも思える。

 プリティが次に見たのは透達ではなく、もう一組、いやもう一人の方だった。


「心得ておる。アヴェルタ統括システム最高司令官であり、アヴェルタの理事でもある通称マザー。個体名は《ティナ》なのじゃ」


 古めかしい言葉を使うが、外見は少女のソレである。足首まで届きそうなほど長い緋色の髪、その髪の色に照らされて焼かれてしまったような小麦色の肌、そして宝石といっても過言ではないルビーとエメラルドの異なる瞳。まるでダイビングスーツのようなピッタリと肌に吸いついている服で浮き彫りになっている小柄な身体に不釣り合いな大きな胸。

 外見はアンバランスな少女ではあるが、ソファに堂々と座っている様は他の組にも劣らないほどの成熟した精神を思わせる。 

 四組の紹介が終わり、当然のことながら透達の紹介に入るのだが、アースフィアのソファに座っているのは透と鈴音、フィンだけではない。


「私は黒乃風音。アースフィアの研究員で、ここにいる二人の保護者にあたります」


 ふわふわとした声に合わせるように、亜麻色の髪も表情もふわふわとしている。服装はレディス―ツだが、研究員である事を示すかのように研究員らしい白のローブを纏っている。

 続く透達の自己紹介で、特に透に対し探るような視線を僅かにあてたのだが、何事もなく自己紹介を終えた。



「さて、軽くお互いを知ったことで本題に入ろう」


 全員の紹介も終わり、ラグナは話題を本題へと変える。


「五界は交流することを決定したのだが、皆が皆諸手を挙げているとは決して言えない。アースフィアに関して言えば、そうなっているといっても差支えは無いが、交流をすればするほど問題は浮き彫りになるほど、問題を抱えているといってもいいだろう。逆に、四界に関して言えば、アースフィアとは正反対ともいえる。反対の意見は多数に挙がっている。私達のように賛成という方が少数派だろう」


 ソルガもスルドもティナも然りと頷く。


「理由としては、政治的背景が第一に挙げられるだろう。四界は、元は一つとはいえ、既に袂を分かち、各々の世界を作り上げてきた。過去の遺恨のこともあり、今さら交流すべきではないという事。そして、交流したとしてもさしたるメリットがない点もある。……アースフィアは別だろうがね。それなのに、少数派である私達の意見が通ったのは、無理を押し通したのもあるが、何より……」


 ラグナは透とフィンをじっと見つめる。


「『寵愛者(グレイサー)』となったフィンが絶大なる力を見せつけ、世界を征服した事が大きい」


「…………」


「他の所は知らないが、ヴェルディンは実力主義なのでね。今現在、一人しかいない『寵愛者』であるフィンの意見が通らないということはありえない」


「そうだそ。故に、われが反対する者達を無理やり黙らせたのだ。学園都市が叶わなくては気軽に透に会うことができなかったのでな。全ては透の妻となるためだ。透……褒めるがよい」


 透はフィンがすごく褒めて欲しそうなので頭を優しく撫でてみた。

 フィンが気持ちよさそうに目を細め、子猫のように擦り寄る。もっと褒めてと、主張するかのように。もし尻尾があるとするならば、千切れんばかりに振っていた事だろう。

 ラグナは甘えるフィンを優しく見つめ、話を続けた。


「世界を交流させるという彼女との利害が一致してね。私は彼女を義理の娘にすることで、今の地位に就くことになったと言っても過言ではない。それくらい反対派が多いのだよ」


 ラグナは少し自嘲気味に笑う。彼とて自身の力ではなく、他人の威を借りた結果になった事に不満がないわけではないが、確かな結果が掌に零れた以上、認めないわけにはいかなかった。


「彼女は、ヴェルディンでは最強といってもいい。故に、しばらくはこの情勢が続くだろう。しかし、情勢というのは不安定なもので、外部や内部からの働きで如何様にも向きを変えてしまう。だからこそ流れを調整するものが必要となった。それが研究学園都市アカディアであり、今日君達を呼んだ理由でもある」


「どういうことですか?」


 ラグナに透が問うと、画策しているような笑みを浮かべる。


「君達に生徒達を統べる、生徒会をやってもらう」


 透は状況から朧げではあるが、理由は推測できるものも念のために聞いてみる事にした。


「理由は勿論、君とフィンとの関係が一番の理由だよ。学園都市アカディアは交流の場所でもあるが、君達のために用意された箱庭でもあるんだ。それなのに、他者に弄くられるのは面白くないだろう? それにこれから皆で仲良くしていこうというのに、トップが不仲だったり、どれか一つの世界に贔屓するような関係である事も望ましくないしね」


 透は苦労しそうな役職に頭が痛い思いがするのか、顔を顰める。


「既に入学まで二月を切っているが、君達には寮ではなく、私達が用意した住居に居を移して貰う。そして、フィン、透君、鈴音君、ノルン君、ルーナ君、ティナ殿には婚約者として、同じ家に暮らしてもらう」


 透は次から次へと舞い込んでくる情報に処理が追い付かず、暫し茫然としてしまった。

 だが、沈黙の空間を砕き、信じられないとばかりに絶望の声を上げる存在がいた。


「何じゃとぉぉぉぉ!! 儂は聞いておらんぞ!」


 目を血走らせ、ソルガはラグナに詰め寄る。ラグナは耳を塞ぎたくなるほど大声を上げるソルガに顔を顰め、冷静になるようにと、ソルガを慰める。


「私が許可しました」


 みっともなくうろたえる夫にうんざりし、プリティはため息をついた。


「ど、どういうことだ、プリティ!? 儂の可愛いルーナに男と一つ屋根の下で暮らせと言うのか!! あ、あまつさえ、こ、婚約などと!!」


「ええ、その通りです。というか、子離れできない貴方がそういうと思って、こうして黙っていたのですよ」


「いやじゃい、いやじゃい! 儂は娘達と暮らすんじゃい!」


「……いい大人が駄々をこねるんじゃありません」


「儂は反対するぞ。泣くぞ。喚くぞ。駄々をこねるぞ。いーやーじゃー!!」


「……いい加減にしないと……暫く口も聞きませんよ?」


「頼む!! それだけはやめてくれ! 儂はかまってくれないと、寂しくて死んじゃうぞ」


「じゃあ、聞き分けなさい」


「……じゃが、じゃが……」


「……最後通牒ですよ」


 プリティが譲歩してくれないと悟ったのか、ソルガは部屋の隅に行き、メソメソ泣き始めた。

 シュールな光景であった。夫婦の関係であるとはいえ、彼の巨躯の半分もない女性に、終始彼は尻に敷かれていた。

 子供のように駄々をこねる髭面の巨漢。矮躯の女に叱られる巨躯の男。幼女に縋りつく大男。

 あまりの光景に、軽く現実逃避する部屋にいる者達。

二の句も告げないでいると、プリティが見苦しいところを見せたと詫びる。


「何故、彼に事前に教えなかったんだい?」


 ラグナが尋ねると、プリティは朗らかに笑いこう言った。


「こうなることが目に見えていたことと……場を和ませようと思って」


 場が和んだかどうかはさておき、少なくとも場の雰囲気はある意味一変したともいえたのであった。


「まぁ……話を続けさせてもらうよ」


 場を繕うように、ラグナは咳払いをする。


「君達が一緒の家に暮らすのは、君達には都市の運営の手助けをして貰うため、同じ家に住んでいた方が都合がいいこと。さらに、君達が生徒会役員であること。同じヴィンクルムのメンバーであること。そして最後に、五界の交流の一環のために、表向きには友好を謳うため、君達は婚約者となっているが、実際は婚約候補といったところだ。とはいえ、何事もなければ正式に婚約を結ぶ事になるのだけどね。以上のことから、早めに一緒に過ごして貰い、友好を深めて欲しいことが理由に挙げられる」


 透は聞きなれない単語が出てきたので鸚鵡返しに尋ねた。


「ここは名目上では五界について学び、五界の平和のために役立てる人材を育て上げることと、新しい技術の共同開発を銘打っている。しかし、実際何を学べるかというと、難しい問題を孕んでいる。程度の差はあれ、当然ながら、誰もが他世界の技術を欲しがっている。だが、自世界の機密技術を晒したいなどとは思っていないだろう。……そうなると授業として学べるのはかなり制限されてくる。そこで授業として取り上げられるのが、各世界の文化と魔法技術だ。初年度において、アカディアの授業形式は二通りとなる」


 ラグナは間を取るために多少呼気を整える。


「まず、各世界の言語と文化などを学ぶ座学形式。次にこちらが用意する仮想世界で課題に取り組む実践形式。大きく分けてこの二つだ。もちろん、座学形式の魔法理論などもある。先ほど言ったヴィンクルムとは、実践形式などで組むメンバーのことだ。メンバーの最低人数規定は各世界から一人ずつの五人。場合によっては一人、もしくは二人増やすこともできるのだが、基本的には五人だ。メンバーはこれまでの情勢を顧み、初期メンバーはこちらがランダムに決めるが、君達は同じヴィンクルムにする。理由はわかるよね?」


 理由は透達が生徒会役員になることと一緒だろう。例え、和平の証として学園都市が造られたとしても、そう上手くいくものではない。急激な変化に人はついてこれない。ましてや、反対する者達が大勢いる以上、それは必然だ。そこに入学するのであれば、多少は協力的ではあるだろうし、平和を作り続けようとはするだろう。

 しかし、かつては敵であったものを受け入れることなど、人として心情的に難しい。だからこそ、トップに透達を据え、形から入らせることによって、不和の解消のきっかけとするのだろう。同居させるのはその一環ということだ。 

 有効的な策であるので、透達は了承の旨を伝える。


「では、後日迎えをよこそう。家具などの生活に必要なものはこちらで用意するから、君達は手ぶらでもかまわないよ。それと生徒会として必要な書類や、その他の資料もその時に渡すよ」


 ラグナが話は終わったと告げたことで、この場はこれで解散となった。


「それでは、また会える時を楽しみにしておるぞ」


 フィンは嬉しそうに言い、頬にキスをして離れて行った。

 透の隣には、そのことにぷっくりと頬を膨らませる少女がいるのであった。


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