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5話
麗香は、ちひろたち四人を見送ると、ホッとした表情で家の中に入った。
「今日はいろいろあって、とてもびっくりしました。」
驚きもあって少し疲れもあったようだが、仲間ができたことヘの喜びの方が、麗香には大きかったみたいだった。
鏡の前を通ると、とても自然な笑みを浮がべる麗香がいた。
「もっとみんなと仲良しになれるといいなぁ……。」
麗香は何げなくそんなことをつぶやいた。
すると、カナもほんのり淡い笑みを浮かベてつぶやき返した。
「そうね。」
カナのそのつぶやきに、麗香は深くゆっくりとうなづいた。
深夜十一時。
辺りは静けさを増していた。
空には星がきらめき、空全体が明るく輝いていた。
ブワッ ――――――――――
突然、空から紫がかったもやが降りてきた。
そして、その真下に少年らしき人影があった。
「……。」
彼は無言で目的があるのであろう方行に体を向けた。
そして彼は不敵に笑った。