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2話

 周りにいた二,三人のクラスメイトはさぞかし驚いたことだろう。

 二人のクラスメイトが全速力で、走って教室を出て行ったのだから。

 一‐一の教室は四階にある。

 だが、ちひろと蓮の二人は三十秒もしないうちに、げた箱へとたどり着いた。

 くつを履くのに少し手間どったが、それでも校門を出るのに一分とちょっとしか、かからなかった。

 当然、二人は五時に間に合った。

 しかも、三分の余裕をもって。

 ちひろと蓮は“二百人以上いる一年生の中でトップに輝くのではないか“といわれているほどのスピードの持ち主である。

 でなければ、普通十五分のところを八分で走れるわけがない。

「はぁはぁはぁ……ま、間に合ったか?……。」

 蓮が息を切らせて訊く。

 ちひろは、その問いに答えるように――

「間に合ったようね。あと、三分ほどあるみたい。」

と言った。

 そのあとに、「こんなに本気でこんな長距離走ったの久しぶりだよ~。すっごくつかれたぁ~。あたしには長距離走向いてないよぉ~」などと、ぶつぶつ言っていた。

 五時の公園は、とてもにぎやかだった。

 この季節の五時はまだ十分明るいため、小学一,二年生や幼稚園児などが大勢遊んでいた。

 その横を見るとあきらかに場違いな四人がたっていた。

 それを察したちひろは蓮に言った。

「ねぇさぁ、あそこじゃない?」

「ああ。」

 蓮も察していたようだ。蓮は、短い返事を返した。

 まあ、誰から見ても場違いだと感じるだろう。

(うう、なんか母親からのいや~な視線を感じるのだけど……)

 ちひろと蓮も同じく、周りから場違いだというような目で見られていて、ちひろも蓮も作り笑顔でその場をのりきるしかなかった。

 「もう、どうにでもなれ!!」と思って、四人のところへ向かってみると、向こうの四人も気が付いたみたいで、こちらへ駆け寄ってきてくれた。

 少女が三人、少年が一人の四人だった。

 右側には、ショートカットの女の子。有名な私立中学の制服を着ている。恥ずかしがりやな性格なのか、二人の女の子より一歩下がった位置で、うつむいている。

 中央では、さっきの女の子とは正反対でとても堂々と立っている。“わたしが一ばん!”と、いわんばかりに。この子は、ミニツインテールで、イマドキの女子でよくいる!的な感じだった。

 左の女の子は、ただただ気品があって、みんなのお姉ちゃんというにふさわしい人物だった。顔だけ見るときっちりしていて、クールに見えるが、後ろになびく綿のようなふわふわな髪を見ると、ちゃんと優しさも兼ね備えているようにも見える。

 その後ろには、普通にいそうで、少しぶっきらぼう感じに見える男の子がいた。特にちひろと蓮を観察する様子(といっても、渡した本人だし……)もなく、ぼけーっと公園を眺めていた。

 顔を合わせたはいいが、六人とも口をきけずに黙っていた。

 しばらく黙っていると、蓮が口を開いた。

「……ま、まず、お互いの名前を聞かねえか?コレ、渡したのアンタらだろ。」

 蓮はそう言い終えると、ポケットから水色の封筒を出した。

「あ、あたしももらったし……。」

「れ、れいかもです。」

 ちひろと私立中学の少女も言った。

 すると、無関心だった少年が言った。

「ああ。渡したのはオレらだ。オレはミントだ。」

 次に蓮が言った。

「俺は倉本蓮だ。好きなお菓子は、“コアラのマーチ”☆ あ、俺の隣にいるのは……。」

「や、柳葉ちひろです!」

 ぽけーっとしていたちひろは、蓮に急に振られて我に返った。

「わたし、ルナ。よろしく☆」

 ミニツインテールの女の子が明るく元気な感じに自己紹介をした。

(葉月みたいな感じの人だなぁ。仲良くできたらいいなぁ。)

 ルナの自己紹介を聞いて、ちひろはそんなことを考えていた。

 ルナの自己紹介が終わると私立中学の少女が一歩前に出てきた。

「私は、高橋麗香(たかはしれいか)です……。な、仲間はずれにはしないでくださいっ……。」

 最後にお姉さん風の少女が言った。

「カナよ。」

 短かった。この上ないほど最っ高に、短かった。

 蓮は、カナとミントの方を向いて言った。

「なぁ、なんで俺らはこんなところに呼び出されたんだ?」

 それを聞いたカナとミントはルナも交えてアイコンタクトで相談する。

 ちひろたちはハテナな感じでそのアイコンタクトの様子を見ていた。

アイコンタクトが終わると、カナが詳しいことは人気の少ないところで話したいというため、麗香の家で話すことになった。

 麗香の家の両親はちょうど旅行に行っていて、今日は家に帰ってこないらしい。

 しかも、麗香の家は、ここ奈月公園からそれほど遠くないところにあった。


へたな小説ですみません。感想をもらえるとうれしいです!

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