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Bと7のエレベーター  作者: あつあげ
9/13

第9話:ヒューマンエラーによる提携会社システム連携トラブル

午前10時、タカは地下オフィスに入り、資料の山に視線を落とす。

今日は新規提携会社とのシステム連携作業。ほぼ完成しているはずのシステムだが、外注の設計者と自社チームの認識のずれがそのまま残っている。

チームのメンバーと打ち合わせを始める。

「設計書のこの部分、外注ではこう書いてあります。修正はどちらで行うか、再確認が必要です」

「我々側で修正するしかなさそうです。相手にも迷惑をかけたくないので」

タカは深く頷く。ヒューマンエラーは予測できない。

「よし、どちらの修正も文書化して対応しましょう」

午前中、作業は順調に進むが、微細な不整合で数回テストが失敗する。

「またここか…」

「これも人間の認識の違いですね」

タカは苦笑しながら、仲間と問題の箇所を整理し、どちらがどの修正を担当するか明確化する。

文書化とレビューを重ね、次第に問題は収束していく。

午後、地下オフィスで作業を続け、最終的な結合テストを実施する。

「これで問題なし」

チーム全員が安堵の笑みを浮かべる。ヒューマンエラーは完全に消えたわけではないが、文書化と確認作業でリスクを最小化できた。

タカは深く息をつき、チームが着実に自分以外の部分もカバーできる体制になっていることを実感する。

夜、タカはタクシーに乗り込み、紙コップのコーヒーを傾ける。

運転手は穏やかに話し始める。

「今日も街中の工事が多かったですね」

「そうですね、通勤時間帯は混雑してました」

「株式や為替のニュースも賑やかでしたね」

「ええ、景気の動きが少し見えてきますね」

タカは軽く頷き、街の動きや世間の変化に耳を傾けながら、仕事の緊張を少しだけ解く。

帰宅すると妻が笑顔で迎える。

「今日も大変だった?」

「外注との調整で微妙なずれがあって、修正作業に時間かかったよ」

「ふーん、じゃあ夜はその分ゆっくりしてね」

「君の作ったおかずを味わいながら、修正も済ませた気分」

「それなら安心。あ、でもコーヒーは控えめにね」

二人で軽く笑い、タカの肩の力は少しずつ抜けていく。

地下オフィスに戻った日中の緊張感と、夜の帰宅後の穏やかな空気が、タカに今日一日の達成感と安堵をもたらす。

小さなヒューマンエラーはあったが、チームと連携することで安全に処理できたことを静かに胸に刻む。

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