第12話:大規模災害時の対応
午前9時過ぎ、タカは7階の会議室で部門会議に参加していた。資料をめくりながら説明を聞いている最中、建物全体が突如大きく揺れた。
「デカいぞ……!」
思わず声を上げる。机や椅子が微かに跳ね、書類やペンが揺れる。社員たちは咄嗟に身を低くし、窓の外では街路樹が大きく揺れているのが見えた。
タカはまず自分の身の安全を確保し、ヘルメットを素早く装着する。揺れがおさまると、周囲の社員の安否を確認する。
「みんな大丈夫か? 怪我はないか?」
会議室の社員たちは互いに声を掛け合いながら頷く。タカは素早く自分のPCをシャットダウンし、火の元の安全を確認するよう指示した。
「パソコンはシャットダウン、火の元も確認。落ち着いて行動して、順番に避難だ」
タカは非常階段を使い、社員たちに慌てず順番に地階へ降りるよう指示する。揺れが続く中、余震に警戒しつつ階段を下りる。地下フロアに到着すると、サーバーが正常に終了処理を行っていることを確認し、ひとまず安堵する。
その後、社内掲示板アプリを使い、生存確認を順に進める。社員たちの無事を確認するたびにタカは小さく頷き、声をかける。備蓄食料や水も配りながら、不安な社員を励ます。
「酒は程々にな! 落ち着けよ」
冗談を交え、少しだけ緊張を和らげる。社員たちも笑顔を返す。
夜、タカは社内泊を選択する。家族や親戚への安否確認も忘れず、掲示板アプリを通じて情報を共有する。妻との短いやり取りも交わし、互いに安心感を確かめ合う。
「今日は社内泊か」
「わかった、気をつけてね」
少し笑いを交わしながら、一日の緊張を解く。
翌朝、タカはフロアを回り、社員の安否とサーバー状態を再確認。データリカバリも順調で、全てが正常に稼働していることを確認し胸を撫で下ろす。大規模災害の中でも、訓練の成果が生きていたのだ。社員たちの自律した行動が、災害時の対応を支えていた。
タカは自分の役割を果たした満足感と、チーム全体の力を実感しながら、長い夜を社内で過ごした。




