表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Bと7のエレベーター  作者: あつあげ
11/13

第11話:非常訓練とバックアップ確認

午前8時、タカは地下オフィスの扉を開けると、薄暗い照明と静かな空気に包まれた空間を見渡した。今日は年に一度の非常訓練の日。UPS(無停電電源装置)への切り替えとバックアップデータからのリカバリが正常に行えるかを点検する、大切な日だ。

「今日は、エレベーターは使いません」

タカはチームに向かって声を張る。皆がヘルメットを手に取り頷く。階段を駆け下り、地下フロアへ向かうのは少し息が上がるが、それぞれが緊張と責任感を胸に進む。階段の手すりを握り、慎重に足を運ぶ。タカはフロアごとに、順番に社員の安否を確認しながら進む。

「慌てず、順番に。余震や転倒に注意して」

フロアの明かりに社員の顔が映り、互いに目を合わせながら安心させるような微笑みを交わす。

地下に到着すると、UPSへの切り替えとバックアップリカバリの手順を順に確認する。コンピュータの画面を見つめ、タカは慎重にチェックを進める。万が一手順を間違えれば致命的になるが、手際よく進み、全てが正常に完了したことを確認する。

「リカバリ完了、問題なし」

小さな達成感が胸に広がる。チームも安堵し、わずかに笑い合った。

訓練が終わると、タカは階段を上り、オフィスフロアに戻る。ヘルメットを外し、汗を拭いながら息を整える。7階の社員が冗談交じりに声をかける。

「もう少し早くならないか?」

「安全確認は最小限ですよ?」

タカが返すと、オフィス内に笑い声が広がる。

夜、タクシーで帰宅する。街灯に照らされる通りを見つめながら、運転手と世間話を交わす。経済状況やニュースの話題に触れ、少し肩の力を抜く。紙コップのコーヒーを傾け、訓練の達成感をゆっくり味わう。

自宅に着くと、妻が笑顔で迎える。

「夜ご飯、何か食べたの?」

「今日は軽く済ませたから、味噌汁を出してくれる?」

「じゃあ待ってて。温めるわ」

「ありがとう、これで十分だ」

「コーヒーも飲み過ぎないでね」

二人で軽く笑い、タカは一日の緊張から完全に解放される。安堵と達成感を胸に、就寝の準備を進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ