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全くもって虫が良い

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

本日の反省です。

人間、満足という言葉を知らず。与えるだけ与えても、更なる高みを欲す。故、程度を知らぬと、落魄れる。そんな事を思う一日だった。

休日と違って布団から離れるのが億劫で、一時間前から駄々を捏ねた。幾度となく自問自答を繰り返す事、早十分前、その刹那の間を噛み締めながら、のらりと起き上がった。

あれ程楽しかった休日は露と消え、今は厳しい現実と向かい合っている。

やり残した仕事はなかったと思う……。思いたい……。体も頭も動く事を願う……。早朝は無理だけど……。何も頑張ってないのに、どうしてこうも疲れているのか。

そうすると、必然的に平日時の私が戻って来る。ただ未来に怯えて塞ぎ込み、何かに、誰かに縋る思いで今を生きる。ただそれだけが生きる術の。


「なんだ。湿気た顔して」

家に帰ってくるなり、同居人は呟いた。そして今日が終わろうとしている事に気が付いた。

ひたすらパソコンと向き合って、間違いが起きないように天に頼み、未来に対する不安を抱えるという在り来りな平日。あぁ、でも、これがないときっと私では無い。私ではなくなってしまう。

「ずっと休日が続くと、私、何処までも我儘になっちゃう。何の感謝もせず、ただ欲張るだけ欲張って、大事な方の事を忘れてしまった」

突発的にそう叫んで、顔を覆う。玄関で立ち尽くして泣き言を喚く私に、同郷人は酷く困惑した様だった。何時もなら遠のく足音が聞こえない。多分その場で立ち尽くしているのだろう。

人間、与えられれば与えられる程、我儘になる。今の今まで私に沢山の物を与えて下さったのに、それにさえ気が付かずにのうのうと日々を過ごしていた。

「虫が良い。余りにも虫が良い……」

今までは毎日だって、何処かしらに訪れていたのに、今は近くを通っても素通りする事が増えた。それなのに、私は今日も縋り付いている。


強者は神に縋らず、弱者は神に縋る。奢る者は都合の良い時だけ強者になり、都合が悪くなると弱者になる。

よく『神頼み』って言うではないですか。

あれは自信がある人、満たされた人がやる行いではないと思うんですよ。

そもそも脳内に浮かばないと思いますしね。


この話の根幹を担うのは、最後の一文です。

上の文に通じる、神頼みの話です。


休日は不安な事も一切ないから、神頼みしない。

平日は不安な事が多いから、神頼みをしている。

其の虫の良さに気が付いた話。


泣くほど、焦るほど、死ぬほどの負荷は御免蒙りたいですが、ある程度の不可は必要だと思った話。

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