一台目はトラックだった
赤直前
サイレン無視して
「俺、優先」
一台行けば
二台目続いて
*
救急車の足止めした
あの人は
人でなし だったのかもしれない
人殺しに なったのかもしれない
*
心肺停止後
一分救える
三分、まだ助けられるはず
五分で救命率が急激低下、脳障害
八分過ぎたら絶望的
私は彼らを許さない
*
救急車走る。
その後ろに
窒息、大怪我、意識混濁の重症者を想う。
傍らで一分、一秒でも早く、と
祈るような気持ちの者を想う。
「具合悪いの」と、よく話し、立って歩ける
タクシー代わりなら良いな、なんて。
関係者に怒られてしまうだろうか。
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公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
▼小説家になろう 公式企画サイト
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ファミレスで、きっと熱中症だわ、と大騒ぎして店員さんに救急車を呼ばせていたおばあさん。
そんなに元気に喋って、歩けるなら、タクシー呼べばいいのでは? と思ってしまった夏。
素人の所感でしかないので、言いませんでしたが。
実際のところは、本人にしか分かりませんもんね……。