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戦争の序盤




夜の曇った日に決行。

闇夜の空をドローン機がバラン帝国の港だった所へ強襲を掛ける。

いつもの睡眠弾を撃ち込み、敵兵を眠らせて拘束バンドで締め上げる。

この港はアビラン都市から近い、敵国に落ちたラビン港だが補給物資の補給元でもあった。

魔術師が宿泊している所も、既に制圧された頃だろう。


モニター室には刻々と制圧する姿が映し出され、状況報告も刻々と無線を通して報告されている。


「魔術師の宿泊施設を制圧に成功しました。位の高い魔術師も拘束済みでどうしますか?」


「情報収集部が向かうまで、大事に扱ってくれ」


バラン帝国の一部の軍が迂回路を通って、こっちに向かっている筈。


そんな中で暗い闇夜に、ゆらゆらと明かりが揺れている。


「一部暴徒化した兵が、民家に火を付け回ってます。どうしますか?」


「やむを得ん、射殺を許可する」


「了解しました」


「消火ドローン機に出動命令を連絡してくれ」


「了解しました」


やはり予期せぬ事が起きてしまった。

何故に火を付けたりしたのだろう。

逃げたければ逃げればいいのに、逃げる者は追わずに放置しろと命令も出している。

ここからも見えだした。辺りを照らす炎が恨めしく思える。


「住民の状況はどうなっている。詳しく報告しろ」


「一部の有力者は何処かに連れ去られたようです。分かっているのが港管轄官と町長のミラン・マッケンローの2名です」


「それで住民はどうなんだ」


「抵抗した住民は200人以上で殺され、共同墓地にでかい穴が掘られて遺棄いきされたようです」


惨い事をするもんだ。それが戦争なのかも知れない。

異世界の戦争もひど過ぎて、目をおおいたくなる記事が多かった。

あの武器や空母を見ればわかる。

なんだろう、この重い空気は、居た堪れなくなってドアを開き外へ飛び出した。


新鮮な空気を吸って落ち着かせるのが先決だ。これが領主の苦労と言う物なのか?


気分を切り替えて、ドアを開けて入る。


「海上にいる船に、積荷の陸揚げ指示を出してくれ」


「了解しました」


船には【火砲】の最新型が載せられている。

単独で動けるようにしている。モータで動き4輪駆動なので悪路でも充分動ける。

それに最大の改良点は、魔術士が居なくても魔石のみで撃てるように改良。

魔法陣の改良に手間取ったが、魔法陣を3枚も重ねて使用する方法で達成させた。

そのせいで、ダンジョンに潜る冒険者の収入がアップして、冒険者ブームがオーランド王国で起きていた。


バラン帝国から手に入れた地図で、何処に配置するかは既に決まっている。

ラカン連合国からの奪還作戦だっかんさくせんも出来ないように準備を進めてゆく。

建設重機も運搬されて、ドローンの前線基地も作る事はバラン帝国からも承諾済み。


山の傾斜部を削ってダンプに土が載せらて、ダンプは主要な道を走り防衛ラインまで運び土をおろして引き返す。


そこでは太いコンクリートくいが打ち込まれて、2列のコンクリート杭が壁として3メートル高さに立っている。

2列の間は2メートルも離れていた。

油圧ショベルが土をすくい、コンクリート杭の間に土を入れてゆく。

土入れが終わると、小型機械のプレートコンパクタで人が操りダダダダと締め固めてゆく。

今では港町の住民も、兵に従い壁づくりに一生懸命に取り組んでいる。


「おうらい、おうらい、ストップ」


ダンプの荷台が徐々に上がり、土がドシャと流れ落ちてゆく。

前に進むと、残っていた土が全てが滑り落ちた。

そして、来た道をひた走ってゆく。


港町を守る為に24時間作業を続けた。その甲斐もあり2日後に完成。

港町に侵入するには、【火砲】の標的にならなければいけない。

バラン帝国より射程距離が長く威力もあることに気付いていないだろう。


そして3メートルの壁が待っている。

その壁には間隔を置いて、機銃が据え付けている。

この銃弾の中を甲冑程度では防ぐ事は到底無理だ。


広場で敵兵の新兵や農民兵と敵対しない兵が、一堂に集められている。


「いいか、お前たちをライカ連合国に送りかす。その前に、これを見ておけ」


合図を送ると、丸太に向かってM240軽機関銃が「だだだだだだ」と撃ち込まれる。

丸太に穴が開き、途中でボキッと折れてしまった。敵兵の顔が恐怖の顔に変わる。


「同行する兵が少ないからと襲うとこんな目に合うぞ」


敵兵の数702人がシーンと静まりかえる。


「我らオーランド王国は、歯向かわなかった敵兵は解放する。歯向かえば死だ」


用意された輸送トラックの荷台乗せて、列をなして輸送トラックが走り出した。

54台のオートバイに乗った兵が、間隔を空けて同行してゆく。


これで、無駄な飯を食わす食料が減る事もない。

敵国にその無駄飯を食らう兵を帰すことで、向こうの食料が減れば儲け物。

それに歯向かわなければ、助かると思わせるのも作戦。

敵国の兵は、侵略されたから戦争が始まったとは思っていない。

国の命令で仕方なく戦争に向かったのだ。


ならば命の天秤で、自分の命を掛けさせる。

命が大事ならば、逃げるか降伏をするなど選びやすくする方がウィンウィンである。




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