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またもオークが




今はヘリに乗り、上空からトランシーバーで指示をだしている。

我が領土に遠くない所でオークの目撃情報があった。

1体を見れば1000体は居ると言われるオーク。

それが5体の目撃情報だった為に、急ぎオークが住む砦を探している。



このヘリはオーク探索の為に異世界通販で探しだした物。


中古EXEC(エグゼク)米国製2人乗ヘリコプター】160万円を購入。

●飛行時間 150時間程度

●機体状況 美品

●追加機器 電動クラッチ、電動ファン、2nd吸気圧メーター

●寸法    全長 6.55m 全幅 1.55m 全高 2.39m 主ロータ径 7.62m

●エンジン エンジン Rotorway社製 RW-145 4サイクル4気筒2700cc 145HP

●回転数  エンジン 4500rpm 主ロータ 500rpm テールロータ 2500rpm

●重量   最大重量 580kg 自重 375kg e) 燃料 78L(ハイオクガソリン)


「こちら本部、A-15区の崖に洞窟を発見。その周辺にオークを目撃。至急集合せよ、洞窟付近で砦化をはかっている」


「アッキー隊、A-14区に居ます。すぐに現地に向かいます」


「本部、皆が集まるまで、攻撃しないように」


「アッキー隊、了解」


「シラン隊、30分後に現着予定」


「本部、了解」


「ララ狙撃隊は目標確認。いつでも撃てます」


「本部、了解」


「ニーナ隊、40分後に現着予定」


「本部、了解」


「ユナ支援隊、後方で待機」


「本部、了解」


時間が40分を経過したので、隊の配置も完了している。


「ララ狙撃隊、洞窟付近のオークを攻撃開始」


しばらく上空から見続けて、ほぼ制圧したようだ。


「本部、アッキー隊は睡眠弾を2発打ち込んだ後に、防毒マスクとゴーグルを着用。見付け次第オークを撃ち殺せ」


「アッキー隊、了解」


「本部、シラン隊・ニーナ隊はオークが出てきた際に撃ち殺せ。同士討ちしないように注意しろ」


「シラン隊、了解」


「ニーナ隊、了解」


順調に進んでいた討伐が何かが変だ。


「ニーナ隊長、オークが巨大盾で銃弾を防いでます」


「オークが盾を持つなんて、聞いた事がない」


どうやらオークは、分厚いタワーシールドで全身を覆い尽くし防いでいる。

そして大きさを利用して、隙間なく並べて防いでいる。

2列目のオークは上に向けて同じように盾で防ぎだしている。


あの分厚だと相当重い筈だが、オークの馬鹿力だと簡単な事なのだろう。

もしかして、あの洞窟であのような分厚いタワーシールドを作ったと言うのか?


俺のヘリは近くの平らな広場に徐々に高度下げて着地。

俺はヘリから飛び出して、駆け出した。そしてニーナ隊に合流。


俺は双眼鏡でタワーシールドを観察。

あれは堅い鋼鉄製の盾でなく、1枚の板状の岩だ。

岩盾のはしが削り取ったように、ギザキザ状になっている。

オークはオークなりに考えている。


今度は大きな岩を放り投げてくる。

俺らが居る200メートルに届かず、100メートル付近に落下。

あれが手頃な石なら届くかもしれない。


俺は壊れたままの軽装甲機動車を、ニーナ隊に1台・シラン隊に1台・アッキー隊1台と置いてゆく。

もしもの時に軽装甲機動車が盾代わりになってくれるだろ。

隊員もすぐに軽装甲機動車の後ろに隠れる。


軽装甲機動車から石の当る音が「コン・カン」と響きだした。


軽装甲機動車を置きながら隊員を観察した結果。

不安な隊員が多く、ある切っ掛けがあれば逃げ出すかも知れない。

それほどオークは恐れられる魔物の代表であった。

力は人の3倍もあり、分厚い皮は槍も通さない程固い。

そして隊員もオークの戦いは始めてであった。


洞窟からオークが出てくる数が大量すぎて、6000体以上のオークが洞窟から出ていた。

それでも大盾の隊列は崩れることもなく、補充され広がっている。

補充する瞬間を狙えばいいのに、何故狙わない。


それにしてもオークの動きも見事だというしかなく、統率力のあるボスが居るのだろう。

こまねいている隊に向かって怒鳴った。


「お前達の持ってきたロケットランチャーは飾り物か!!」


ハッと気付いたようで、ロケットランチャーを構えだす。


発射され着弾すると、オークが空中に舞い上がり土煙も舞っていた。

その攻撃があっちこっちに着弾。

スキの出来た所に集中的に弾丸が撃ち込まれ、オークが逃げ惑う。

そうなると盾で守られた陣形が総崩れになり、死体の数を更に増やして行く。


もう弾丸の総攻撃は止まらない。


既にオークの死体の山が広がり5000体ぐらいあっただろう。

あとの1000体は洞窟に逃げ込んでいる。


「洞窟に向けて睡眠弾を打て」


「誰か大型扇風機を持って来い。洞窟内に流してから1時間後、防毒マスクとゴーグルを付けて仕留めて来い」


「了解!」


隊員は即行動を開始。日頃の訓練が行き届いている。


そして支援が到着すると、即解体が始まりその作業スピードも早く、胆のう・魔石・肉・皮と解体されて行く。

4駆の軽トラがここから運び出し、ここから近い道路へ向かう。

そこには大型ダンプが何台も待機中。


俺はその解体現場で取れた魔石の30%を加算する。

残りの70%は電力へ消えてしまう運命。




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