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若い夫婦と彼女達




今日来たのがバーラーの町で働いていた若い夫婦。

若いと言っても俺より年上。

なんでも商店で働いていたが、不当解雇されてしまいギルドの応募に飛び付いた。

1年分の金も貰えず解雇されてしまった。蓄えもわずかしかない。

あとで知ったのだが、その商店は1年前から経営が傾き夜逃げ同然に町から出て行った。


俺は事情が分かったので、村人として受入れた。


「ここが君達の家だ」


「ここに住んでいいのですか?」


「住んでいいよ」


「ロバート大丈夫なの?」


「心配しなくていい。君達は村に雇用されたのだ」


「それは小作人ですか?」


「会社による雇用だよ」


「会社ですか?」


やはり分からない言葉に困っているようだ。

俺もこの会社がよく分からなかった。

更に資本主義も同じレベルで分からなかった。


資本主義とは、働いたらその労働力に応じて報酬が得られるという制度で、自由に経済活動を行える社会らしい。

会社は資本主義をコンパクトにした物と考えればいい。


おいおい教育すればいいだろう。


「分からなくても後で教えていくよ。まずは農地を見せよう」




「ここが農地だ。今は大豆の芽が出ている」


「大きいし綺麗に耕していますね」


「簡単に耕せるよ。操縦も教えるよ」


「操縦・・・?」


「分からないのも無理はない。新しい所を耕してみようか?」



クボタKB21EXTRAを動かしながら、夫婦の前にやって来た。

奥さんは旦那に抱きつき恐がっている。


「恐がらなくていいよ。荷馬車と同じで言う事は従う物だ。手本を見せるからね」


何度も往復して土地をやわらかく平らにしてゆく。


「ロバート、ハンドルが右にいっているぞ。真直ぐに走らせないと」


おっかなびっくりと操縦していたが、徐々に上手くなっていくロバート。

それを見ているマリアは、安心して微笑んでいる。


1ヘクタールを2時間掛けて耕している。


帰りはマリアが低速で運転しながら家まで向かう。



今日も昨日の続きで耕していない土地を耕す。

4時間もすれば予定地は耕し尽くした。


播種機はしゅきによる豆まきを同じ様に教えてゆく。

豆まきも人がやれば、時間が掛かる作業で持ってまく為、腰を痛める作業。

播種機は耕した上をただ走っているだけで効率よくまいている。


それが終わると既に収穫時期になった大豆を、コンバインで収穫する方法も教えた。

大豆が大きな袋に吐き出される様子は圧巻だ。

普通は手作業で時間だけが浪費される作業が、コンバインで簡単やってのけている。


この収穫された所は、バーラーの町に居る農耕神の教会に頼んで浄化をして貰う。

こうする事で悪い植物の病気にならない。

これも神から貰った恩恵で、それなりのお布施はすることになる。


奥さんのマリアは家の近くの弓の練習場でコンパウンドボウの練習中。

俺が居ない場合を想定して、1番弱い人間に強くなる術を教えている。

俺がそうであった為、これは真剣にやって貰う。




又も鉱山にサラマンダーが2体現れたと、バーラーの町から執行官の使者が直接やって来た。

ギルドを通さずに依頼を受けると、問題にならないかと尋ねると問題無いと言われた。

仕方なく承諾して使者が帰ると、四輪バギーで早速走り出す。

2時間で到着。今度は斜面を斜めに走行して、向きを変えて再度斜めに走行。


この走行音で激怒するサラマンダーの2体は、凄い勢いで駆け下りてくる。

俺はジッと我慢して目前で機関銃を乱射。

俺の横を凄い勢いで2体とも転げ落ちてゆく。

俺は斜めに下りて、息絶えてサラマンダーの腹を裂き魔石を回収。


鉱山の人達は、ウキウキな顔で遠くから見ている。

前回の討伐で肉の処分に困って、鉱山の人達に分け与えたことを思い出す。


「作業は終わった。好きなようにしていいよ」


駆け寄る人達でサラマンダーは見えなくなる。

骨や牙も貴重品だが、見ていて諦める。

ここの責任者に依頼達成のサインを貰ってバギーで駆け出した。



帰る途中で頑丈な荷馬車を発見。

周りにはブラックウルフが、何かを食っている。

見えていたのは人間の片足。拳銃でバンバンバンバンバンバンバンと撃ち尽くす。

マガジンを素早く交換して、バンバンバンバンバン撃ち倒した。

近づくと荷馬車は檻の様な作りで、中には俺と同じ年齢の少女が5人も震えて抱き合っていた。


「大丈夫か?」


「ここは何処ですか?」


「バーラーの町の近くかな」


「わたし達は隣の国の人間です。あの人達が村を襲いわたし達をさらったのです」


「コイツらがそんな事をしたのか?天罰だな」


檻の鍵を拳銃で壊し、荷馬車ごとバギーで引張る事にした。

行き先はバーラーの町で、彼女達もそれしかないと話し合った。

バーラーの町まですぐの所でバギーを回収。

彼女達も降りてもらい、俺が引張って執行官邸宅までやって来た。


すっかり仲良くなったジニーに相談。

彼女達も交えて話し合った。


この国は奴隷は廃止されて50年も経っている。

それでも裏の世界には商売にしている者がいる。


この国は隣の国と国交を行なっていない。なのでバレイ領主は彼女達を送る必要もない。

今現在の彼女達は自由にしていい状態。

しかし親兄弟が居ない彼女達は、いかがわしい店で働くしかない。


結局ジニーの提案で、俺の村へ連れて行くことになった。

奴隷の証拠の荷馬車と、死んだ者が残した証拠の書類をジニーに託した。




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