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魔法ほしい


いよいよ学園へ出立する日がやってきた


入学までの流れとして、試験から結果発表まですべて当日の内に行われる。


合格すればそのまま学園が用意する寮に住むのでも構わないし、


家から学園に通うのでも構わない。


ただ厄介なのは、学園が開始するのは試験の1週間後という事だ。


下手に遠い領地を持っている貴族であればそのまま寮に住む他ない。


僕は転移魔法を完成させたので、好きな時に帰れるが … …


「 準備は良いか? 」


父上の厳格な声が耳に響く


「 大丈夫です 」


「 問題ございません 」


僕とアンジェは準備万端だ。


何せ、移動のために魔法をひとつ完成させたのだから。


「 お前達には一つ、アイテムを渡しておこうと思っている 」


そういって父上は懐からペンダントを取り出した。


「 これはまあ、お守りのような物だ 」


アンジェの息をのむ声が聞こえる


「 そのペンダントには、何か魔力が感じられますが ? … … 」


「 とりあえず身に付けておれば問題は無い 」


「 分かりました … … 」


「 ありがとうございます。 」


僕とアンジェはそのペンダントを受け取る。


物の詳細な情報を取得できる魔法を開発するのも良いな。


後で考えてみよう。


「 私から伝える事はもうない。出立しても良いぞ 」


「 分かりました 」


そういってアンジェは飛行魔法を展開する


「 飛行魔法か … … 完成させていたのだな 」


「 はい。構想自体は数年ほど前より行っておりました。 」


「 では、今回の課題はアンジェにとって簡単すぎたな 」


「 すこし … … はい 」


そう言うアンジェの頬は、少し赤く染まっていた


なんだかんだ褒められるのは好きなんだろうな。


「 ルイスはどうだ? 」


「問題ございません」


僕は転移魔法を展開する


「 … … ! 」


父上の目が大きく見開かれる


現象としては普段想像もつかないものだろうけど、一瞬で何が行われたのか理解したのだろう。


「 その魔法、使い道を謝るでないぞ 」


「 承知しました。」


この魔法の有用性に辿り着いたのだろう。


「 まあ、今どうこう言っても仕方ない。二人とも、達者でな 」


そう言って父は踵を返して家の中に入っていった。


まあ、今生の別れとかでもないし、こんなもんかな。


「 アンジェ、僕は先に行ってるね。学園で待ってるよ 」


「 分かりました。では学園で。 」


僕は発動した転移魔法を使い、王都で移動した。


「 おぉ … … 」


当たり前だが、人が多い。


活気もある。


とりあえず近場で宿を探そうかな … …


この世界にはギルドと呼ばれる組織が3つ存在する。


魔法に自信のあるものは魔術師ギルド


腕に自信のあるものは冒険者ギルド


薬学、所謂錬金術を用いて回復ポーションの作成に自信のあるものは薬師ギルド


これらはかつての勇者パーティーにちなんで作られた。


とりあえず、僕は魔法に自信があるので魔術師ギルドへ行き、宿でも教えてもらおうと思う。


王都の地図は頭に入っているので、迷うことなくギルドへ赴く


ギルド内に入ると、独特のにおいが僕を包み込む


そしてなにより、空気が違う


張り詰めたような緊張感がそこはあった


ギルドのロビーはお酒とか飲んだりして談笑したり密談したりのイメージがあったが、全然そんな事はないようだ。


とりあえず受付に登録しに行く事にする。


「 いらっしゃいませ。本日はどのような御用でしょうか。」


受付に行こうとした瞬間、カウンターから出てきたいかにも魔術師然としたローブをまとう女性の方が話しかけてきた。


ギルドの職員の人かな … … ?


「 本日は魔術師ギルドへの登録と、当日に予約無しで泊まれるおすすめの宿を聞きに来ました 」


 承知しました。ではまず登録から先に移らせていただきます 。

 魔術師ギルドのルールはご存じですか? 


「 いえ、知りません 」


 では説明させていただきます。

 当ギルドでは、犯罪歴のある方はご利用いただけません。

 ちなみに、犯罪歴の確認方法は秘匿されています。

 また、登録する際には試験がございます。

 方法は何でもよろしいですが、求めることはただ一つ。

 魔法の才を見せていただく事です。 


ギルドの職員の人の目が変わる


この目は、僕を試している目だ。


… … いいね


 見せていただいた魔法の才を元に、9つのランク付けをさせていただきます。

 ランクは上から、【セラフィム、ケルビム、スローンズ、ドミニオン、ヴァーチュース、エクスシア、アルケー、アークエンジェル、エンジェル】となっております。

 凡夫な才を持つ魔法使いが生涯努力を重ね続けたら到達出来ると言われているのがエクスシアと言われております。

 また、ランクに応じてギルドカードも作成しております。

 上から、【赤、青、茶、白、黒、青緑、抹茶、薄緑、無地】と色分けされてます。


確か上位ランクまで行くと王国の宮廷魔導士に声がかかるんだったかな?


 ランクの判断方法についてですが、一旦、ギルド職員の者が判断した後

 この私が再度判断いたします。


不正にランクを下げられないための処置なのだろう。


とはいえ、この人は一体何者なのだろうか … …


 申し遅れましたが、わたくし、この魔術師ギルドを運営させていただいております

 ミルバ、と申します

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