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魔法ほしい


「 ル … … … … 」


どこかから声が聞こえてくる


現在僕は一人暮らしをしており、声が聞こえてくる可能性を考えると


それは夢以外ありえなかった


「 ル … … ル … ス様 」


先ほどよりも少し音量が上がった。


果たして今は何時なのだろうか。


「 ルイス様!! 」


音量が先ほどとは比にならないほど跳ね上がり、その直後


僕の体にものすごい衝撃が襲った


「 うわっ! 」


あまりの衝撃に飛び起きてしまった。


果たして、夢とはこれほどまでに現実に作用してくるものなのだろうか … …


「 ルイス様。朝ですよ」


その呼び声の方向を確認すると、とても美人のお姉さんが居た。


現状が全く理解できない。


ここはどこだ? そしてこの人は誰だ?


「 … あなたは一体 … …」


女性に問いかけようとした瞬間、頭の中に様々な記憶が駆け巡る


現在居るのは日本ではなく、【ルリビア王国】であるということ


この体の持ち主の名前は【ルイス】であるということ


目の前に居る女性は僕のメイドだということ


そして


この世界には魔法が存在するという事 … …


目の前に手をかざし、イメージする


イメージするのは炎


この世の理を捻じ曲げる現象


かつての世界では到底成しえる事の出来なかった現象


この世を騙す現象 … …


そこまで考えたとき、僕の手に炎が生まれた


「 … … すごい … …」


気づかぬ内に僕の口から勝手に言葉がこぼれた。


だがしかし、これは仕方ないことでもあ ----


「 ルイス様危ないでしょう! !」


またまたすごい衝撃とともに、僕の手のひらに存在していた炎が掻き消える


これは【deny】だ。


暗黙のdenyだ。


denyとは魔法を消す魔法


消すには本来色々と条件が必要だが、今回のは消えても良いと思いながら作成した魔法なので、いとも簡単に消え失せた


「 ご、ごめん … … 」


今回は僕が前面に悪いので、謝る


「 今日は旦那様と大事なお約束があるんでしょう? 遅れちゃいますよ 」


日本に居た僕にはそんな記憶が全くなかったが、この体はその約束を記憶していた。


「 朝一に書斎に行くんだよね。分かってるよ 」


「 分かってるならいいんです … … 二度寝したらダメですからね 」


その言葉を最後に


足音が8回聞こえた後、扉の開閉音が聞こえた


「 行ったか … …」


僕はベッドに倒れこむ


昨日?夢で出会った神様はどうやら本物だったようだ。


なぜ確信を持って言えるかというと、感じるからだ。


この身に宿る魔力


そして


この世の理を書き換える魔法の力


その力を確かに実感できる。


この力の先を追い求めた時、僕は見つけれるかもしれない


日本では探せなかったもの


日本では手に入らなかったもの


飽いた日々から抜け出せるかもしれない。


僕は普段、神なんて信じないが


この時ばかりは神の存在に感謝した


なぜなら、こんなにも心が躍る体験をさせてくれているのが神のおかげだからだ。


「 神様ありがとう … … 」


僕の呟きは誰にも届かない


しかしそれでも良い


今を大事にしようと思う。

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