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魔法ほしい

渡す限り緑が広がる土地にやってきた。


「 二次試験を始めます 」


先ほどは近所によく居るおじいさんという感じがしていたが


二次試験では各々の才を見ていきます。

一人一人に担当試験官をつけますので、自分の得意分野を自己申告してください。


二次試験を始めようとするその姿からは圧倒的な支配者の威厳を漂わせていた


先ほど姿を現していなかった護衛達も先ほどとは違い


おじいさんの傍に付き、ほどよい緊張感を漂わせていた


ほどなくして、20代ほどの男性が近づいてきた。


初めまして。

ルイス君の担当試験官を務めさせていただきます。

それではご自身の得意分野を教えてください。


名前を名乗らなかったけど、何か理由があるのかな …


「 よろしくお願いいたします。僕の得意分野は魔法です。 」


僕が答えると、試験官は納得したような表情を浮かべた。


ふふ

だろうね

だからこそ私に君を任されたのだろうしね。

スローンズのルイス君


何か最近、こっちは向こうの名前を知らないのに、向こうはこっちの名前を知っている状況が多いな …


申し遅れたね。

私は宮廷魔法士長を陛下より承っている

ブライト、という者だよ。

魔術師ギルドにも所属していて、ランクはケルビムだ。


ケルビム … …


確か、僕の一個上の序列第二位だ。


口ぶりからして、ある程度は事前に情報が渡ってるのかな?


そして、宮廷魔法士長ということは宰相に次ぐ権力者という事だ。


「 なぜそんな人物がここに … … 」


君の疑問はもっともだ。

しかし、今年試験を受ける面子を見てみると

ただの試験官では正確な実力がはかれないだろうとの事でね

私の他にも各界の名立たる有名人が今日のためにスケジュールを調整されているよ


今年はそんなにやばいやつらばっかりなのか … …


まあ、そういう裏の事情はほどほどに

試験を開始しようか


宮廷魔法士長の纏う気配が変わった


毎回強者と思われる人は空気が変わる瞬間が存在する


これは一体何なんだ … … ?


試験内容は簡単さ

私に魔法を一撃あてる

それだけさ


そんなこと考えている場合ではない。


試験はもう始まっている


「 最悪死に至る場合もあると思いますが? 」


大丈夫さ。

そこらへんは何も気にしなくていい

君はただ、私に向かって魔法を放てば良い。


宮廷魔法士長という事もあって、相当な自信があるようだ。


これは自信をへし折ってやらないとな … …


「 分かりました。では行きます 」


まあ初手は様子見だろう


水の上位派生魔法


アイシクル(氷の礫)


通常のアイシクル(氷の礫)は小石のような氷が一方方向に飛んでいくだけだが、


僕のは飛ばした後に軌道を変えられる


9つの氷の刃が、全方位から宮廷魔法士長に襲い掛かる


「 … … っ ! 」


「 … … まあ、並みの魔法使いだと今ので終わりだろうね 」


… … 何が起こった?


確かに氷は飛んで行った。


全方位、絶対に見えないはずの後ろからの攻撃だ


まず避けれない。


身体能力がない魔法使いであるなら尚更。


だがいつの間にか僕の魔法は消え去っていた


無傷の宮廷魔法士長を残して


「 驚いているようだね。 」


「 … … ええ 。とても。 」


簡単さ。今の魔法はアイシクル(氷の礫)だろう?

氷は炎に弱いこれは常識だし知っていると思う

だから僕は全方位から襲い掛かる氷すべてに炎魔法を重ねた(・・・・・・・)


… … 原理は、分かる。


行動理由も分かる。


しかしそれは全方位から来る魔法に対しどのように反応したかの返答ではない。


その正体が強者特有のあの威圧に隠されているとでもいうのか … … ?


無詠唱は相当な魔力の鍛錬をつまなければ至れない高等技術だ

それをいとも簡単に出来ている時点で、君は入試には合格だろう

どうだろう、現時点でやめてもいいんだよ


言ってくれる。


ここでやめたら宮廷魔法士長に負けたという事実だけが残る


「 減らず口を叩けるのも今だけですよ … … 本気を出します 」


僕は昨日からオリジナル攻撃魔法を考えていた。


自分が思い描く魔法


この世を塗りつぶす程の魔法


前世で最も恐ろしいものを考えた時、思い浮かんだのは【ブラックホール】だった。


崩壊した星。


光さえ脱出することができない天体。


それを実現出来れば負ける事はないだろう。


僕はイメージをする。


星の崩壊する姿を


星の中心に星全てが集まる様相を


「 … … ! まずいねこれは 」


ものすごい魔力が僕の中からあふれ出す


転移魔法何て比じゃない。


僕の魔力が可視化され、緑が広がる大地には暴風が吹きあられる


もはやこの魔法は誰にも止められないだろう


「 ごめんごめん!ストップストップ! 」


宮廷魔法士長がストップをかけた。


僕は自分で自分の魔法を打ち消す


暗黙のdenyだ。


いや本当にごめんね

想像以上だったよ


宮廷魔法士長なら止められるとは思うけどね


まあ君の考えている通り、止める事はできた

だがしかし、周りに与える影響がでかすぎる。

君の魔法と私の魔法がぶつかり合ったとき、何が起こるかわからないレベルだったからね


確かにそうだ。


久々の魔法勝負という事もあり、少々熱くなっていたようだ。


「 ま、試験は合格だよ。詳細は追って連絡が行くと思う。 」


「 分かりました。ありがとうございます。 」


あぁあと、試験の順位だけど、

ルイス君は恐らく主席になるだろうから

入学式のあいさつを考えておいてね


まためんどくさい役回りが来たものだ … …


アンジェもカリンもどうやら試験が終わったようだ。


とりあえずは宿に戻るかな … …


結果はそこで聞こう。

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