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はじまりはじまり
唐突だが、自分が住んでいる田舎には「幽霊駅」と呼ばれている駅がある。しかし、言葉の持つ本来の言葉の意味とは違い現在でも運行は細々とだが続けられている。自分も利用者の一人だ。
しかし、鬱蒼とした森の中にぽつりと現れるその駅は無人駅で夜になると灯りさえもない暗闇に覆われるので、運行しているのかここを初めて訪れる人は眉をひそめるだろう。そんな始末であるから「幽霊駅」などと言われ娯楽の少ないこの町での酒の肴になってしまっている。
「ううう………、もう動けないわ……」
自分は、肩を滑ったカバンを持ち直した。
——幽霊駅にて、君を待つ。