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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1899年、グルジア
98/350

再構築

「だから、本来は制度を」


 もう一度、僕は言いよどむ。

 たった今。

 今、僕は何を言おうとしたのだろう。


「――ひっくり返す(・・・・・・)必要がある、てユーリは考えてるの?」


 やはり容赦のない彼女。

 こう言うところはまだ、どうにも苦手だ。


「……うん」


 その行き着く先に触れられないよう願いながら、僕はうなずく。

 ひっくり返す、との表現では穏当に過ぎるのだけど。


「制度疲労を起こしてる部分、それをあらかた、取り替える(・・・・・)必要はあるだろうね」


「――ねえ、ユーリ」


 問いかけられたのは、ひどく静かな言葉だった。


「その意味を、あなたは分かってるの?」


 たっぷり時間を置いて。

 ふたたび、僕はうなずく。


「うん。少なくとも、穏当じゃないことを言ってるのは」


「血が流れる――いえ、血を流すことになるのも?」


「……うん。もちろん、できるだけ少ないに越したことはないけど……」


 それはともあれ、肯定ではあった。

 僕が生まれて初めて行う、流血の肯定。

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