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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1899年、グルジア
96/350

世継ぎ

「……まさか」


「?」


 奇妙な予感をかき消すように、僕は言う。


「いや、何でもないよ。ともあれ、“教えて”欲しいな」


「そう、ね……アレクサンドラ皇后のことはどのくらい?」


 どうしたものだろう。

 去年、僕一人のロシア旅行。

 突き詰めて話していないことは、いくらでもあった。

 ここは、互いの共通理解から始めるべきだろう。


「――あまり良くはないね」


 少し考えてみても、同じ結論にしかならない。

 痛ましいことではあるけど、事実だ。


「皇女二人は元気だった。もう少ししたら、3人目が生まれるはず」


 子供が世継ぎであればいい。

 何も背負って(・・・・)いなければ、僕が言うことはない。

 けれども。


「でも皇后は、宮廷にあまり馴染めてなかった。イングランド出身だし、ロシア語も習い始めたばかりだしね。もちろん、夫婦間なら英語で大丈夫なんだろうけど」


 ニコライ2世はもちろん英語が使える。

 ロシアの君主として、ほとんど当然のことだ。


「じゃあ、言葉だけが問題じゃない、てこと?」


「……うん。日々暮らしてれば、ともあれ言葉は覚えていくからね」


 だから、問題はここからだ。

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