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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1899年、グルジア
83/350

首都へ

「モスクワ、行く気はないかな?」


 そう僕は、ジョゼファに聞いた。

 いつも通り、家での夕食を終えて。


 5月、初夏。

 一度目の国際平和会議は、ハーグの地でまだ終わったばかりだった。

 ペテルブルク(ピーテル)での呼びかけから9ヶ月。

 ニコライ2世が提唱し、マルテンス外交官・法学者がまとめ上げたその会議は、ともあれ26の国を集めてはいた。


 26ヶ国。

 少ないようにも見えるけど、19世紀末の今は帝国主義の時代だ。

 東南アジア諸国の独立までは半世紀が、アフリカの年までは60年以上必要なはずだ。

 主な独立国は――つまるところ、列強と呼ばれる国々は――ほとんど参加していると言ってよかった。


 中でも、毒ガスと残酷な殺傷弾頭(ダムダム弾)の禁止は、100年以上後、僕がいた時代でも生き続けていた。

 気球からの投下禁止は……これはまあ、ご愛敬と言うものだろう。

 いくら理想を志してはいても、無いものを禁止にはできない。

 飛行機の誕生までは、まだあと3年の間があるのだから。


 このまま時が過ぎるならば、会議は文字通り、国際平和の先駆けとなることだろう。

 ――三度目の会議が、一度目の世界大戦で中止されつつも。

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