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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1898年、サンクト・ペテルブルク
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戴冠の日々

「――なるほど、確かにそうかも知れないですね」


 ひとつ分かった。

 僕が思うよりはるかに、男は事態を把握している。


 ……いや、男たちは(・・・・)、と言うべきか。

 明確な正体こそ分からない。

 けれども、あまり穏当でない目的との察しはつく。


「手前えの呼ばれた理由が、まやかしかマジ物かまでは知らねえ。ただな、あの一家を無闇に安定させられちゃ困るのよ」


 安定の反対はなんだろう。

 (いさか)い、揉め事、あるいは革命。

 ――革命? まさか。


「ただでさえ、数年前の戴冠式のゴタゴタが尾を引いてやがる。あいつらは俺たち民衆のことなんざどうでもいんだ、てな。あとはひとつふたつ(・・・・・・)、グラつかせるだけって寸法よ」


「……いいんですか、そんな事まで」


「構いやしねえよ。どうせこの手の噂、掃いて捨てるほどあるだろ。お前の持って来たそれだけ、特別に構うような理由はねえさ」


 男の言い分は、確かにその通りだろう。

 今の皇后は、ただでさえ心を開きかねている。

 噂話を軽くあしらう、そんな余裕はないはずだ。

 今のままならば、いざというとき賢明に動けなくなる可能性は高い。

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