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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1897年、グルジア
61/350

切望

「――実際に診たことはおありですか?」


「と申しますと?」


呪い(・・)を受けた方がお生まれになるご様子を、です」


「……いえ」


 ならば、心構えだけでも持っていてもらうべきだろう。

 これから真っ先に立ち会うことになるのは、間違いなく氏なのだから。


「予言する訳ではありませんが、そのときはすぐに分かることと思います。何はともあれ、いざというときに備えてはおくべきでしょう」


 出産ともなれば、出血する事態には事欠かない。

 病かどうかは、すぐにそれと知れるはずだ。


 この時代、血友病をわずらったまま長く生きる望みは薄い。

 けれども一切の望みがないかと言うと、決してそんなことはない。


 男親が血友病の場合、女児は症状が出ず男児は健康なのが知られている。

 つまり、生まれて来た男の子が育ち、あるとき男の子を授かったなら。

 少なくともその子の血筋は、“呪い”から解放されることになるはずだ。


 ――40年以上に及ぶ平穏が、これからのロシアで許されるならば。

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