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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1896年、グルジア
43/350

曲行

 ひとつ確かなことは、このときの僕が“深入り”を選んだことだ。

 愚かと言いたければ、そう言うといい。

 ただ、疲れていたとだけは言わせて欲しい。


 でも、いったい何に?


 いっこうに見つからない“薬”。

 それでも消えない彼女の期待。

 いつ迫り来るとも知れない病。

 ――つまりは、僕を取り囲む諸々に。


 そしてこのとき、僕が思いも寄らなかったことも記しておこう。

 簡潔に言うならば、知識とは力なのだと。

 魔法と技術の峻別は、しばしば困難を伴う。

 決して教育が行き届いていない環境であれば、なおのことだ。


 僕が薬を手に入れ、彼女は薬の接種を説いた。

 結果として。

 流行り病が村を通り過ぎたとき、子供達や若い世代の犠牲はただの一人きりだった。

 その一人も、量が不足気味なところを他の子供たちに回すよう願ったからだ。

 当時の技術レベルを考えれば、ほとんど奇跡的と言っていい効き目だったろう。


 こうして彼女は、奇妙な信頼を寄せられることになった。

 村だけでない、近郊からも人が訪れるようになった。

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