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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1896年、グルジア
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蛮行

「不要な荷物は持って行かないにこしたことはない。なら、その水筒が重要なのは誰でも分かる話だろう」


 ――はったり(ウチォス)だ。

 この水筒が何のためかなんて、分かるはずがない。

 そう思いながら、僕はもう、目の前の男に口を挟めないでいた。


「水筒がいる、首都(トリビシ)への用事……いやもっとも、これ以上はここ(・・)でする話じゃないとは思うがね」


 言われて僕は、ここがどこなのかを思い出した。

 相変わらず、ほぼ満員の狭苦しい馬車は揺れている。

 乗り合いの常で、みな無関心を装ってはいる。

 それでも、周囲の人間がいることに変わりはない。

 ここ(・・)でする話じゃない――まさにこの男の言う通りだった。


「できれば、次の休憩でお聞かせ願いたいところだがね。無理にとは言わないが、乗りかかった船だ、手を貸せることもあるだろうさ」

「……ええ」

「あと一時間もない、話したいこととそうでないことを整理しておいてくれ」


 僕がやろうとしていることは、まちがっても犯罪ではない。

 その意識が、このときの僕をうなずかせた。

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