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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1896年、グルジア
37/350

遂行

「ふむ、なるほどな……訳ありか。いや、済まなかったな」


 何かを察したという風な物言いに。

 今度は、僕の台詞の番だった。


「と言うと?」


 挑発的な視線と共に、僕は(たず)ね返す。

 当てられるものなら、当ててみるといい。

 そんないたずらっぽい感情も込めて。


「水筒」


 短く、ぶっきらぼうに男は言う。

 このとき、僕はその意図をはかりかねていた。

 確かに、僕のカバンの中には水筒がある。

 でも、それが一体、どういう意味なのか。


「一応言っておこう、わざとではない。偶然、中が見えてね」

「できれば、端的にお願いできますか」


 もったいぶるように手を顎に当て、男は続ける。


「最初から空だったろう」

「……それが何か」

「君はそう場当たりなようには見えない」

「買いかぶりですよ」

「まあ待ってくれ、まずはおしまいまで聞いてくれ」


 少し腹立たしいものの、それより興味がまさった。

 促すように、僕は一言を口にする。


「……伺いましょう」

「旅に出るには軽い方がいい。飲むものは休憩先や目的地のトリビシで足りる」

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