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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1905年、上海
297/350

再提案

「最終ゲームの前に、確認しておきたいのだけど」


 言って、僕は以下の旨を述べる。


1・トランプのカード13種類(・・・・)を使う。

2・ゲーム開始時に伏せカード1枚、手札6枚ずつを配る。

3・先手はカードをひとつ指定する。後手は手札にある場合、指定されたカードを公開し手札から出す。提示できない場合、後手の敗北となる。

4・後手のターンに移る。後手は3を行う。

5・相手がブラフを行使したと考えた場合、相手の手札開示を要求できる。ブラフでなければ即敗北する。

6・どちらかがカードを提出できなくなるまで、これを繰り返す。


 あくまでただの確認だった。

 少なくとも、ほとんどの部分では。


「こんな所でどうかな?」

「任せるわ――どちらにしても、同じことと思うけど」


 同意はあっさりとしたものだった。

 僕はまた、もうひとつの事を確かめる。

 13枚。

 新たなトランプの山を伏せたままテーブルに置く。


「さっき、水をこぼしちゃってね……もうひと束、借りてきたよ」

「再会の杯でも、と思ったの」

「うん。でも、思い直したよ。旧知の間を温めて、手加減してくれる君じゃないってね。まあこれで最後なんだ、君にも確認して欲しい」

「それも任せる。あなたの方で、トランプを切って貰えればいい」


 思った通り。

 思った通りの反応だった。


「……分かったよ。じゃあ」


 一度トランプの束を手にし、テーブル下に隠す。

 そのまま手元から目をそらし、山札を混ぜた。

 赤子の寝息と、紙と紙がこすれる音。

 ふたつの音だけが数秒、室内に響く。


「まずは、配るよ」


 言うとテーブル上、裏向きにトランプを並べる。

 まずは6枚、そして6枚。

 最後に、伏せ札の1枚。


「じゃあ、いいかな?」

「ええ。このままで」


 かくして。

 僕と魔女は、決着の時を迎える。

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