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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1905年、上海
280/350

揺動

「信じてくれて、正直なところ嬉しいよ」


 このひと言は、何気ない言葉のつもりだった。

 ただ率直に、信じてもらえたが故の言葉。


「――だから」


「……?」


「――禁止系の言い回しだったから」


 その時の僕は、とっさに意味を計りかねていた。

 反応しかねた僕に、彼女は続ける。


「"何々をしろ"なら、疑ったかも知れない。でも、しない方なら選択肢はいくらでもある」


 淡々と、明確な根拠を述べる口調。

 ただただ、単純な足し算を答えるかのような。


「離乳食にハチミツは危ない。仮にそれが嘘でも、私の損害になることはまずない。と言ってここで、出まかせを口にする意味もない。何かしらの誘導である余地は、つまり発言に何か含みのある可能性は、限りなく低い」


 一瞬だけの間。


「ゆえに、理屈で言えば(・・・・・・)、信じるに足りる――これで、納得できた?」


 言って聞かせる口ぶりに。

 今度はほんの少しだけ、心がざわつく。


「あなたのそのお話、ありがたく受け取っておく」

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