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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1895年、グルジア
25/350

無為

 彼女の察しのよさと、ささやかな僕の嘘。

 確かに僕は、嘘が苦手なのだろう。

 ただしそれは、おそらくは彼女の前に限ってのお話ではないか。


  ――このまま、誰一人彼女の才に気付かなかったらどうだろう?

  ――このまま、小さな街の気のいい女として生涯を過ごすのだろうか。

  ――皇帝が一族諸共に吊されることも、秘密警察が張り巡らされることもないかも知れない。


 不敬とは思いつつ、僕は想像をおさえることができない。

 ……いや違う、そうじゃない。

 そもそも、いったい何が不敬だと言うのだろう?

 神さま(ボーフ)もたいていの人も、ほとんど信じてはいない僕に。


 彼女が僕の身を案じていること。

 他意も悪気も、おそらくは無いであろうこと。

 少なくとも、それだけは信じられる気がした。


 神さま(ボーフ)もたいていの人も、僕は信じてはいない。


 ならば。


 信じている人の才に礼を尽くすのも、そう悪くないことなんじゃないか。

 そう思ってはみたけれど……いったいどう活かせばいいというのだろう。

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