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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1895年、グルジア
23/350

距離

  ――僕の名はユーリ。この村は、狙われている。

  ――未来の世界の人型人間です。


 僕の背景を正直に、ド素直に言ってしまうとどうか。

 最大限好意的に見積もって、悪い人ではないんだけど枠。

 控えめに言ってちょっと、お付き合いしたくない人だろう。


 追放ならまだいい。幽閉だともう厳しい。

 座敷牢、という単語が不意に頭をかすめる。

 この街(ゴーリー)を出るには馬車を使うしかない。

 無論、馬車を駆るのは顔見知り、使えるはずがない。

 となると、ひとまず首都トビリシに出るには……まず150㎞はある。

 長々とした山道の、それも徒歩での踏破。

 無理なことは、シミュレート(シムリーラバチ)するまでもない。


 ならば、どうするべきなのか。

 全面的に断る選択肢はむずかしい。

 愚かだ、と言いたければ好きに言ってくれ。


 となると、だ。

 結局僕に残されているのは、ささやかであれ嘘をつくことでしかない。

 彼女曰く、決して上手くはないと言う嘘を。


 どうやら僕は、嘘が上手くないらしい。

 だから問題は、どこで小さな嘘をつけばいいのか、だ。

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