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納得
「……土曜日?」
「ええ、教会を借りるわ」
何を大袈裟な、と僕は思った。
でも本当のところ、決して大袈裟ではなかったのだ。
――打ち明ける相手が、彼女だけでないならば。
「みんな、納得したいのよ。辛抱強く待った甲斐があった」
邪気のない笑顔、と言えばいいのだろうか。
あなたが納得してくれてホッとしてる、という顔だ。
今後のことを考えると、ここでうなずくべきではない。
うなずくべきではない、けれども。
「不安? でも大丈夫、あなたの真面目さは、村中が知ってるわ」
僕の誤魔化しを見破ったと思ったら、不意にこんな表情を見せる。
どう対処していいのか、どうにも分からなくなる。
立て直さないと。そう思っていても、困惑が強い。
「……念のために聞いておきたいのだけど」
息も絶え絶えに、僕は切り出す。
「いったい、どこまで話せばいいのかな?」
この言葉はもう、投了に近かった。
「ありのままでいいと思う。ユーリは嘘が下手でしょう?」




