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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク 【その2】
198/350

失格者

「――子供たち(・・・・)にも、貴方くらいの柔軟さがあれば、ですな。もはや詮ないことではありますが」


 これはやや、意外な言葉だった。


「意地を通す方を優先されてるとばかり思っていました」


 老人に子供はいない。

 少なくとも、そう聞いている。

 この子供たちはだから、比喩的な意味だろう。

 何の比喩かは、あえて問うまい。


「私にも、かつてそう思っていた時期はありましたな。――昔の話です、悔いたところで誰に許されるでもない。マルクスやエンゲルスとともに地獄に落ちるだろう、そう思っておりました。ところが、異世界に召されたのは私ではなかった。私以外、です」


「その告白を、なぜ僕に?」


 老人は頭を振り、静かに答える。


「言ったでしょう、ただ者ではないから、です。力も境遇も関係ない、才はいついかなるときも輝くものなのです。願わくば、人民(ナロード)のために使われることを祈ります。――本来は、祈りまで言うべきではないでしょうが。最後の最後に、私は革命家失格でしょうな」

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