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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
184/350

力への意志

 力。

 誰もが決して、その力を活かせるとは限らないもの。


 ――そう、たとえば、こんな数字を並べたとしよう。


 9 16 25


 足し算となる(9+16=25)のはすぐに気付く。

 平方数の和(3・3+4・4=5・5)もむずかしくはない。

 では、これを三角形での話とするとどうだろう?

 すなわち、「直角三角形における対角線の二乗は、他辺の二乗の和に等しい」。

 同じ数字であっても、見えるものがまるで違うこともある。


 無論、僕(と同時代の人間たち)にとってこれはほとんど暗記の範囲だ。

 単なる暗記で、苦闘の蓄積を飛ばし、結果を知ることができる。

 できてしまう。


「可能そう」と「可能である」との違いは果てしなく大きい。

 そう、別段、何かの原理に通じている必要はないのだ。

 未知であるはずのそれが、成功に至る道であったたなら?

 あるいは、確実な失敗への道を避けられるとしたら?


 知識は力だ。それは間違いない。

 おそらくは、思われているよりもずっと大きな。


 ――どうやら、僕は気付いてしまったのかも知れない。

 ひょっとしたら、あまり気付かなくてもいいことに。

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