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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
183/350

分不相応

 同志(・・)

 ジョゼファのことを、仮初めにそう言ってもいいはずだ。

 けれども。

 僕と彼女は、果たしてどんな(こころざし)を同じくしていると言うのだろう。


 僕に志は、いや、願望はある。

 この先に待つ悲劇を止めること。

 処刑、二度の大戦、粛清を。

 引いては、たくさんの人(・・・・・・)を救うことだ。


 一方で、どこかささやくように、こんな声が聞こえもする。

(――本当にそれだけか?)と。

(――それ以上(・・・・)を望んでいるんじゃないのか?)。

(――たくさん(・・・・)だなんて、そんな曖昧なこと(・・)に何かを賭けるのか?)


 あるいはこれが、魅惑という奴なのだろうか。

 力。

 まだ手に入れてすらいない力の。


 普通の人間が分不相応の力を得たのなら、単に溺れるだけで済む。

 巻き添えもせいぜい、数人程度の規模だろう。

 でも。

 その先に踏み込みかけ、つかの間、僕は身震いを覚える。


 力と才。

 手ひどい分不相応は、出来心で済むことじゃない。

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