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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
182/350

同志

「なるほど、いろいろ複雑なようですな」


 僕はうなずき、言葉を返す。


「ちょっとうまく言えませんが、ジョゼファが大切な女性(ひと)であることに変わりはありません」


「――たとえば同志(タバーリッシ)のような、ですかな?」


 その問いかけは、僕に迷いを生む。


 ……どうなのだろう。

 ひとまず彼女の方にとってどうなのか、今は置いておこう。

 それはほとんど、僕に察せる範囲をこえている。

 友人でもなければ恋人でもない。

 むろん兄妹でもない。

 僕にとっての彼女。


 あるいは……同志。

 老人の使う同志が、果たして何を意味しているのだろう。

 共産主義者(コミュニスト)の使う同志(・・)

 赤の他人の、けれども信条上の絆で結ばれた者、とでもとればいいのだろうか。

 少なくとも、老人にとってはそうなのではないか。


「――ええ。きっと、おそらくは仰る通りです」


 一息に、僕は続ける。


「ジョゼファは僕が誓うに値する名前です。それは確かだ、間違いありません」

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