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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
181/350

相方

 もたもた考えている内に、僕は一人の名前を思い出す。


「……あまり洒落てはいませんが」


 身近な、けれども大切な人間の名前を。

 

「僕は、ジョゼファに誓います」


「――ふむ。それは、君にとって誓うに足る名前なのかね?」


 首都、サンクトペテルブルグに置いてきた女性。

 老人の前で、そう口にしたことはあった。

 これはだから、それだけでは説明が足りていないとの意味だろう。


「ええ」


 頷きながら、僕は思考を巡らせる。

 ジョゼファ・鋼鉄の女(スターリナ)

 数多の血と恐怖で、遠からず(・・・・)全ロシアを治めていたはずの者。

 一方で。

 今の僕にとっては……どうだろう。

 その諸々を短く述べるのは、なかなかにむずかしい。


「僕の大事なひと――です」


 本来、一言では。

 むずかしいことに、敢えて踏み込むことはない。

 この場ではただ、むずかしいと言うことさえ伝わればいい。

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