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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
176/350

宣誓

「どうでしょう、私から先に何かをすると言うのは?」


 その言い回しには、若干の含みがある気がした。


「何かする(・・)、ですか?」


 言外に、何か答える(・・・)ではなく、との意を込めて。

 きわめて穏やかに、老人は頷く。


「その通りです。もっとも、あまりご無体なことどもならば、ご遠慮頂きたいものですな」


「――まあ、質問には質問で返すべき、なんでしょうね」


「正直なところ、それだと助かりますな。もっとも、この老体に話すことがあれば、ですが」


 話せることならば話す、と言うことなのだろうか。

 僕が聞いてみたいのは、どちらにしろ真偽が分かる話ではない。

 ならば、確認すべきことはひとつだ。


「分かりました。まず僕が聞く、あなたが答える。あなたは答えることも有れば、押し黙ることもある――それでいいですか?」


「構いません」


「では、誓って頂けますか?」


 儀礼的な言い回しであるのは招致の上だ。

 けれども僕には、確信があった。

 老人が誓いを違えないであろう、奇妙な確信が。


「主に誓って、偽証を成さないことを」

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