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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
175/350

法と法律

 ……いや、目の前にいる者を、果たしてただ“老人”とくくっていいものかどうか。

 十二月党(デカブリスト)の乱に参じていたという、数多の歳月を経た革命家。

 その正確な歳を、僕は聞いていない。

 聞いてはいないけれど、あの事件からはほぼ、77年の月日が経つ。


 仮に十代で参加していたとしても、90歳は越えている事になる。

 目の前、セルゲイ氏の背筋は曲がってなどいない。

 白髪と白髭、額のしわとが、過ごしてきた歳月をわずかに物語る。

 僕の目にはせいぜい、60か70にしか見えない。

 伝え聞きは本当なのだろうか。

 それとも、単なる行き違いなのだろうか。


「――私だけ、一方的に聞くのも何ですな」


 僕の考えを見通すように、セルゲイ氏は言う。


「そんなことは――」


「いや、これは個人の法の問題なのです。我が身の上として、法律、とは言いますまい。ただ万人の上、なにがしかの法はあるものです」


 確かに、個人の問題ではあるのだろう。

 僕の郷里で言うところの、仁義とでも言えばいいのか。

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