表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
173/350

つかの間

 吐息も通る、シベリアの朝。

 そんななか不意におとずれた、穏やかなひととき。

 そんな時間はけれど、あっけなく終わりを告げる。


「まあまあ、お気遣いさせてしまって。ではユーリ先生、また後日伺います。マリーナ、帰りますよ」


「で、でも――」


 未練があるのはジャムか、それとも紅茶だろうか。

 このにぎやかさが無くなるのは、少しだけさびしい気もする。


「でもじゃありません。今度の日があるでしょう?」


「う、うん……」


「行きますよ。では先生、また。ほらマリーナ、挨拶は」


「……またね」


 あっと言う間に二人が去り。

 当たり前のように、家の周りへ静かさが舞い戻る。


 呼応するように、軽く雪が降り出す。

 今日の外出はどうしようか。

 そろそろ郵便局には、手紙と荷物が着いているはずなのだけど。

 本降りになるようだと、予定を考え直さないといけない。


「……僕も戻ろう」


 玄関扉を閉め、僕は居間へと戻ることにした。

 暖房の効いた、ひどく静かな居間に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ