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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
171/350

団らん

 それぞれが、それぞれに楽しむ紅茶。

 静かな、穏やかなひととき。

 ほどなく、ロシアンティーの時間は終わる。


おいしかった(スパシーバ)!」


「うん、おいしかった(スパシーバ)よ」


 ロシア語でこれは、ごちそうさま位の意味だ。

 ただし通常、おいしくなかったらこの言葉は無い。

 いただきますもご馳走様も、ここには無いのだから。


「――どういたしまして」


 感慨を胸の奥にしまい込み、僕は相づちをうつ。

 やり取りする言葉も、その形式もちがう。

 けれども食後の団らんの雰囲気、それだけは共通のもののように思う。


「さて、マリーナ。お母さんはどうしてるのかな?」


 マリーナは母親との二人暮らしだ。

 父親の方はと言うと、僕が見かけたことはない。

 たぶん何らかの事情はあるのだろう。

 でもそこまで踏み込むほど僕は好奇心旺盛でもなければ、他人に関心を払ってもいない。


「たぶん、探し回ってるんじゃないか――」


 と、ここで玄関を叩く音。


「……言ってるそばから、来たんじゃないかな」

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