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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
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賑やかさ

 マリーナの手伝いもあって、無事に暖炉の火は勢いを増していく。


「――うん、火はいいかな」


 ようやく、朝の準備らしくなる。

 ポトフの加熱。

 紅茶用の水の沸騰。

 そして黒パンの焼き直し。

 準備が進むにつれて、室内も自然、暖かさを増していく。


「私にできること、何かありますかな?」


「そうですね……では、ポトフの鍋運びをお願いできますか。手袋は暖炉の隣に置いてあります」


「分かりました」


 老人が立ち上がると、食卓に残るはマリーナ一人。

 わくわくすると言った表情でこちらを覗き返している。

 よく見るまでもなく、“何かできることは?”との目だ。

 ……この目には、どうしても弱い。


「じゃあマリーナは、黒パンをとってもらえるかな。暖炉の横に火ばさみがかけてあるから、それを使ってお皿に。火には気を付けて」


「うん!」


 ぱたぱたと、台所に向かう足音。

 ――時間差で頼めばよかったかな。

 そう一瞬思ったけど、ちょうど入れ替わりだった。


「あとは、どうしましょう?」


「では、ジャム瓶を開けておいてもらえますか? 僕は紅茶のお湯をとってきます。淹れ次第、朝食にしましょう」

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