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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
164/350

素直さ

 台所の棚から、僕は必要なものを取り出した。

 ひとまずカップ一つを右手に、角砂糖の瓶を左脇にかかえる。

 食卓に戻り、まずはカップを、もう一人の来賓ことマリーナに渡す。


「ありがと!」


 次いで左脇の角砂糖を食卓へ。下準備はこれでいい。

 いや、三人分には少し足りないかも知れない。

 まあ足りないそのときは、追って足せばいいだろう。

 紅茶を淹れるのも黒パンの焼き直しも、今これからの支度なのだから。


「薪の方はどうしますかな? 一応、外に置いてはいますが」


「ああ、じゃあ暖炉の中にお願いします」


「手伝うよ!」


「じゃ、じゃあ頼もうかな……」


 にぎやかなのは、決してきらいじゃない。

 ただ表裏のない人間は、どちらかと言えば苦手な方だった。


「うん!」


 もちろん、素直な笑顔も。


 自分がちょっと、いやほんの少し、ひねくれている自覚はある。

 素直な行為をどうにも、素直なまま受け取ることが出来ない。

 そこに至った境遇については、思うところが無くもないのだけれど。

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