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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
163/350

来賓

 いつもよりわずかに早足で、僕は玄関にたどり着く。

 そしてゆっくり扉を開け、外の待ち人を中に招く。


「――どうぞ」


「ああ、ありがとう」


「おはよう!」


 予想外だったのは、もうひとりが居たことだ。

 十代にようやく届いたばかりの女の子が。

 寒さなど存在しないとばかりの、ごく普通の冬着で。

 ……いつもながら、温度感覚はどうなっているのだろう。


「お、おはよう、マリーナ……次に勉強教えるはまだ先の」


「びっくりしてるけど、どうしたの? 大丈夫? どこかわるい?」


「……い、いや、基本的には大丈夫だよ……」


 乱入者一人がいることを除けば。

 決してきらいな訳ではない。

 きらいではない、のだけれど。


「なら大丈夫ね! お邪魔します!」


 きらいではないけど、苦手なタイプというものはあるのだった。


 すがるように、僕は老人に目を向ける。

 穏やかな顔で首を振られて、僕はほとんどを察した。

 老人にしても、予想外ではあったのだろう。

 お互い、この年頃の子を制止できるほど子育てに縁はない。


「……まあ座ってて下さい。紅茶カップ、もうひとつ持ってきます」


 それと、角砂糖の瓶も。

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