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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
162/350

大もうけ

 あらかたの準備を終えると、ちょうど玄関に気配があった。

 次いで呼び鈴の鳴る音。

 心持ち大きな声で、僕は答える。


「はい」


 正直なところ、少しわくわくする。

 何しろここでは、人と話すのが大いなる娯楽なのだ。


 インターネットはもちろんのこと、コンピューターもTVもまだない。

 ラジオの実用化は今まさに始まったばかり。

 僕が首都で使っていたタイプライターも、最新鋭に属する機械と言っていい。


 言ってしまえば、この時代の田舎は暇でしかないのだ。

 本にしても、無難な代物が大多数でしかない。

 手紙にしても差し入れにしても、事前の検閲は免れない。


 ……そう言えば、『資本論』を「大もうけについての本」と称し取り寄せた話も聞いた。まあ、「もうけ」を「通常の体制下では不可能であった出世」とでも定義するなら、「大もうけ」できる人()いて不思議じゃない。

 あれは中身を見ない役人あってのものだったろうけど、ここでも使える手なのだろうか。

 一度、聞いてみても面白いかも知れない。

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