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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
160/350

「今すぐ答えることはありません。また、その必要もないことです」


 僕の迷いを見透かすように、老人。


「私と違って、ユーリさんには時間がある。急ぐこともなければ、急かされることもありませんでしょう――いや、朝からお引き留めしましたな。家に薪が余っています、よろしければ、引き取って頂けませんか?」


「ありがとうございます」


 これは、素直に上手い、と思う。

 こちらに引け目を感じさせず、物を渡すための言い回しだ。


「薪は、そちらまで持って行きましょう」


 これもまた、僕の左腕の具合を考えてのことだ。

 片腕で運ぶのは、むずかしいとまでは言わないけど手間がかかる。

 何かに触れないことが、何よりも雄弁なこともある。


「重ね重ね――」


 こちらを制し、老人は言う。


「せっかくですから、紅茶をお願いできますかな。ユーリさんの浅煮ジャム(ヴァレーニエ)、なかなか出せない味ともっぱらですよ」


「ええ、茶葉ともども準備しておきます。では、いったん」


「では」

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