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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
152/350

グラーク

 今のところ、収容所(グラーク)は……いや、流刑の身は悪くはない。

 なぜか。平たく言えば、手を回したからだ。


 シベリア行きそのものは、回避しようと思えばできたようだ。

 けれど、僕はそれを選ばなかった。

 流刑を回避せずに、別の待遇を選んだのだ。


 貴族扱いであれば、住居と生活費は支給される。

 労働囚でないため日々の労役もない。

 そして何より、取り消しよりも法を曲げないで済む。

 ある意味で「貸し」と言えなくもない。


 意図はもうひとつある。

 流刑はもちろん、体制がこのままなら(・・・・・・・・・)邪魔な経歴でしかない。

 けれども、それ以外(・・・・)ではどうか。

 その場合、流刑の事実は勲章に等しいものとなるだろう。


 王家の継承者のためには、血友病の知識を持つ僕がどうしても必要だ。

 生まれてくる子が無病とは限らないのだから。

 早い話が、向こうから縁を切ってくるとは考えづらい。

 だからこのシベリア行きは、僕にとっては保険のようなものだ。

 現状が、どちらに転んでもいいような。

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