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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
147/350

冗談半分

 仮に、彼女がその気を出してしまったらどうか。

 待ち受けるのはおそらく、半ば宗教的な支配だろう。

 何かから授かったかのような、彼女の洞察。

 その力を以てすれば、人の上に立つなど容易いことのはずだ。


 ほとんど怪僧にでもたぶらかされるような支配。

 ……怪僧? いや、まさか。

 不意の想像を、僕は振り払うことが出来ない。


「もし本気で言ってるなら――」


 そうなら僕は、いったいどうすればいいのだろう。

 幸いその先を口にする前に、助け船は来た。


「――冗談よ」


 何もなかったかのように、彼女。

 腹が立つより前に安心してしまう。

 そんな自分が、少しだけにくい。

 よくよく、今日は振り回されっぱなしだ。


「……心臓に悪いって」


「そっちが黙ってた分の利子。大まけにまけたと思って」


 ……と言うことは、元本はまだなのだろうか。

 何となくこわいので、ひとまず触れずにおくことにする。


「でもね、ユーリ。やっぱりあなた、甘いと思うわ」


 何度となく聞いた言葉が、一段と痛い。

 相も変わらず、その通りだからだ。

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