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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
140/350

思案

「ユーリが大丈夫なら、それでいいけど……」


「大丈夫、と思う」


 と言うより、僕にはそうとしか答えようがないのだ。

 革命勢力と彼女との邂逅。

 彼女が利用されるとは考えづらいにしても、火薬庫での火遊びはゴメンだ。


 流刑地とは裏を返せば隔離環境でもある。

 衰亡のロシア帝国に、隆盛の反政府組織。

 下手をすれば、勢力の巣窟となっている可能性まである。

 そんな土地に、頭の切れる人間が一人加わるだけで、既に危険な事態と考えるべきだ。


 事実上、彼女を行かせる選択肢はないと言っていい。

 けれど――。


「まだ流刑とは限らないけどね。でも、そうなったら留守中はどうしたものかな……」


 1901年1月。

 日露戦争開戦まで、あとわずか3年ほど。

 元々、むずかしい話ではあった。

 でも仮に流刑ともなれば、この期に及んでの留守はおそらく致命的だ。


 正直なところ、この戦争については半分諦める気になっている。

 十数万人を諦める(・・・)ということ。

 ひどく気が重いけれども、現状、厳しいものは厳しい。


 ――今後も僕は、そうやって割り切れるのだろうか。

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