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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
136/350

流刑

 冬季はマイナス40度未満に至る、極寒の地。

 シベリアはあくまでシベリアであって、まかり間違ってもハワイやグアムではない。

 少なくとも、ここ数百年はそうだ。


 高杉一郎、石原吉郎、長谷川四郎。

 悲しみつつも読み込んだ、まだ書かれざる本たち。

 描かれた白き凍土の印象は、僕に深く刻まれている。

 そんな文たちが違うだなんて、果たしてあり得るのだろうか。


 いくら考えてみても分からない。

 少なくとも、僕の知識の範囲では。

 そして面子にこだわる趣味は、今の僕にはない。


「そう言われても、ね……」


「――ユーリの持つシベリアの印象、言ってみて?」


「……吹雪と、氷点下を余裕で下回る気温と、強制労働」


「でも、実際に行ったことはない」


「そりゃあね」


 シベリア抑留にしてからがそもそも、僕が生まれる前の話なのだ。

 僕がまた20世紀にいるのは、何かのいたずらに過ぎない。


「じゃあ、その印象はどこから来たの(・・・・・・・)?」


「どこって、そりゃあ1950年代辺りから出始めた――」


 抑留から帰還した人たちの書物に決まってる。

 そう言いかけて、僕は気付く。


「――あ」


「じゃあ、それが書かれた当時(・・・・・・・・・)の政治体制は?」


革命後のロシア(・・・・・・・)……です」

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