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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
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あいづち

 何はともあれ、僕ら二人は食卓につく。


「――いただきます」


 僕一人、手を合わせ日本語でつぶやく。

 この世界に飛ばされて7年近く。

 結局、この習慣はまだ残っている。


どうぞ、(プリヤートナヴァ )召し上がれ(アピエティタ)


 もちろん、こちらの“いただきます”に相当する言葉はない。

 けれども、相づちにできそうな言葉ならある。

 食事時、いつしか僕らは言葉を重ねるようになっていた。


 シャンパンを開け、互いのグラスに注ぎ合う。

 最初の一杯は一気に飲み干すのが、この辺りでの習わしだ。

 なので、ウォッカを出されると僕はかなりつらい。

 彼女の方は、まったくもって平気みたいなのだけど。

 ともあれ、新年がシャンパンなのは正直ありがたい。


「じゃあ、取り分けようか」


 大皿に盛ったサラダを、僕はふたつの小皿にうつす。

 角切り茹でにんじん・じゃがいも・ピクルス、そして好みの肉をたっぷりのマヨネーズであえた料理――オリヴィエ・サラダだ。

 フランス風の人名から分かる通り、数十年前にフランス人シェフが考案してから広まったのだとか。

 新年のシャンパンと言いサラダと言い、どうにもフランスを身近に感じる。

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