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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
130/350

語源

 新年の食卓には、いろいろなものが並んでいた。


 僕ももらった、みかん。

 出かける前に作ったサラダ。

 買い置きのシャンパンとグラスふたつ。

 その横が、パンの上に具を乗せたオープン・サンドイッチ。


 ここまではいい。

 オープンサンドの、切られた黒パンの上に乗っているのは。


「イクラ……?」


 日本語で発音してみて、やっと気付いた。


「――あ、魚の卵(イクラー)、か」


日本(イェポーニェ)にもあるの?」


 これは、日本でも食べるのか、との意味だろう。


「うん。ただ、あっちでイクラと言ったら、(ラソシ)の卵のことだね」


「宮廷で、新年はこんな感じの食事って聞いて。日本でも、なのね」


 さすがに、これは狙った訳ではないらしい。


「そう安くはないし、あまり普段から出てくるものじゃなかったけどね。でも、新年のお祝いにはよく食べるよ。だいたい醤油漬け――発酵させて塩気を利かせた大豆ソース(ソイビ・ソス)に、何日か浸しておいたものが出るね」


 片や醤油漬け。

 片やバター塗りのパン。

 新年のイクラは、ここロシアでも受難らしかった。

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