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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
123/350

やり取り

 目の前で行われている、ほとんど無意味なやり取り。

 唯一意味があるとすれば、相手を安心させるか否かだろうか。

 冷たく笑いたい気持ちを隠し、僕は続ける。


「もし一筆したためるのが必要でしたら、応じるつもりですが」


 もちろん意味など無い。

 意味は無いけど、必要な行為もある。


「こちらに歯向かう気はないと?」


「ええ」


「そうですか――あなたは若い、素直さの方に免じて、サービス(アブソルージョリニエ)で教えましょう」


「と言うと?」


「今後は極力、牙を隠した方がいい」


 不意をつかれ、僕は口ごもる。


「……仰る意味、ちょっと分かりませんが」


「――私もですよ。勤めて十数年この方、なんでこう言う気になったんだか――」


 心の中で、僕はわずかに評価を変える。

 職務に忠実なこともあれば、心揺れることもある。

 つまりは可もなく不可もなく。

 この三人組の評価は、ひとまずそんなところに落ち着きそうだった。


 余計な感情を胸にしまい、重ねて僕は訊ねる。


「よろしければですが、言わんとする所をお聞かせ頂ければと思います」

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