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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
121/350

審議応答

「そう言われましてもね、証拠は挙がってるんですよ」


 嘆息をひとつつき、真ん中の男。


「どうでしょう、我々とともに来て頂けませんかね」


「――もしもの話ですが、断ったら?」


「任意の方がありがたいのは確かです。こちらとしても、1月1日から手荒な真似は避けたい」


 つまるところ、僕に選べるのは手荒か否かだけ(・・)と言うことだ。

 ほとんど身に覚えが無いにもかかわらず。


 ……いや、選べるかも知れないものはあった。

 交渉の余地はまだある。


「――分かりました。ですが少しだけ、待って頂けませんか」


 またしても勢い込む右側の男に、それを制する中央の男。


「家に人がいましてね。この調子じゃ、帰るのはいつになるか分からない」


「我々としてはお受けしてもいいところです。ですが、いかんせん確約がないですね」


「と言うと?」


「あなたが、きちんと出頭すると言う確約を頂きたい。それが納得の出来るものであれば、いったん引き下がりましょう」


 出頭、の一単語を僕は拾い上げる。

 どうやら、官憲の類で間違いなさそうだ。

 普段づかいの言葉にこそ、偽れない出自は現れる。


 慎重に、僕は言葉を探す。


「僕の普段の居場所は分かっているでしょう。その質問、口頭での確約に、意味があるとは思えませんが」

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